近年、多くの企業でマーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)の導入が進んでおり、BtoC・BtoBサイトともに利用しているケースが増えています。
また、MAツールの提供する企業が増えてきていることもあり、既に導入済みの企業でもMAツールの乗り換えを検討しているケースも多く見受けられます。
そこで今回は、MAツールの乗換を失敗しないポイントについてご紹介いたします。
目次
MAツールの市場と今後の見込み
矢野経済研究所が2020年10月に発表した国内MAツール市場の調査結果によると、MAツールの国内市場規模は2020年で447億3,500万円(事業者売上高ベース)と推測され、2025年には737億円に達すると予想されています。
これは、MAツールの認知度が向上し、大手だけでなく中小企業での導入も増えていることや、それによりMAツール市場の住み分けが進んでいることが考えられます。
また、なかには複数のMAツールの併用や乗り換えをしているケースも増えているようです。
世界市場においてもMAツール分野は今後も成長が期待されており、その伸び率は年10%前後と予想されています。
オンライン上で顧客の行動把握や理解、顧客アプローチを強化する動きもコロナ禍により多くの企業が目を向けていることからも、今後もデジタルマーケティングツールの需要は高まるでしょう。
また、新型コロナウイルスの影響でリモートワークやオンラインショッピングの機会が増え、以前よりもWebを活用するユーザーが増えてきています。
企業側としても対応を強化していく必要があるため、MAツールを導入していない企業は導入の検討を行い、既に導入を行っている企業はツールの見直しを考えてみるのも良いかもしれません。
MAツールの乗換で失敗しないポイントとは
では、MAツールを乗換する際に失敗しないためのポイントについて見ていきましょう。
現在の課題を確認
まずは、自社の目的と現在の課題を確認しておくことが重要です。
現状、MAツールを利用していて特に困っていることがない場合は、わざわざ乗換する必要がないという結論に達するかもしれません。
もし現在課題があれば、MAツールで実現するために利用しているツールのどの部分に問題があり、ツールの乗換後にはどのように解決できるのかを把握しておきましょう。
「自社課題を明確にして、その課題解決に合ったMAツールを選定すること」が失敗しないために最も重要なポイントです。
必要な機能の把握
MAツールに含まれる機能や特徴は各製品によって少しずつ異なります。
例えば、ECサイト運営におけるリテンションを目的としたBtoC向けのMAツールもあれば、高度なナーチャリングやSFAツールとの連携を強化したBtoB向けのMAツールなどがありますので、MAツールといってもニーズによって必要性や使い方は違ってきます。
そのため、導入前には自社の運用方法を把握し、課題に応じて慎重に選定する必要があります。
導入したMAツールの機能が自社ニーズと合っていなかった場合は、強化するべき、あるいは不要な機能を明確化し、他の製品と比較した上で変更を検討しましょう。
費用対効果
MAツールは一度導入するとしばらくは同じツールを利用することとなるため、やはり費用は重要です。
しかし、費用だけで決めてしまうと乗換をしてうまくいかないというケースも考えられます。
現在のMAツールと検討しているMAツールの両方の費用対効果を算出し、どちらのツールの方が良いパフォーマンスが出せそうかを比較してみましょう。
例えば、現在のツールの方が費用が安くても、機能が十分でないものを使い続けてしまうとコストパフォーマンスは出せないかもしれません。
費用対効果を比較してみて、自社にとってコストパフォーマンスのいいツールを選択しましょう。
乗換にかかる工数
他のMAツールに乗り換える場合には、データ移行などに時間がかかることがあるため導入期間に時間の余裕を持つことが必要です。
利用方法や操作方法も再度覚える必要があるため、乗り換えにかかる工数はある程度見積もっておくことがおすすめです。
また、利用していたシナリオ設計やスコアリングが初期化されることもありますので、再度設定の必要があります。
管理画面の使いやすさ
MAツールは各種分析や定期的な運用の見直しを行うことも多いため、管理画面を見る機会も多いはずです。
現在利用しているMAツールの管理画面と比べて検討している管理画面は使いやすいかどうか事前にトライアルなどをして確かめておきましょう。
出来ればマニュアルやFAQサイトの充実具合やサポート体制も合わせて確認しておくのがおすすめです。
HIRAMEKI XDでも30日間無料トライアルが可能ですので、ご興味のある方はぜひお気軽にお申込みください。
MAツールの乗り換えを検討するタイミング
最後に、MAツールの乗換を検討するタイミングについて見ていきましょう。
費用対効果が合わない
MAツールを導入した後に費用対効果を計算してみることはとても重要です。
「実際に使ってみたら思ったほど効果が出なかった」という場合もあるかもしれません。
これはMAツールを乗り換えることで解決するものなのか、MAツールの運用方法を変えることで解決するものなのか、それとも導入がまだ早いのかといった切り分けの判断にもなります。
以下が費用対効果を見直す際の代表的な項目です。
【費用】
- 初期費用
- 月額費用
- 運用担当者の工数費用
【効果】
- 売上金額増加
- 見込み客の育成と絞り込みによる営業の効率化
- 工数の削減
この項目を元に費用対効果の算出を行ってみましょう。
機能が不足していた
導入してみてから必要な機能が無かった、もしくは使っているうちにこんな機能が欲しいといったことが出てくる場合もあるでしょう。
その場合には、必要な機能が含まれているツールを探してみることをおすすめいたします。
契約の更新時期が近い
MAツールに限らずですが、契約の更新時期が近くなったタイミングで一度見直しを行う企業は多いです。
最低契約期間よりも短く契約を終わらせてしまう場合は違約金が発生することもありますし、契約期間内は解約できない場合もありますので自社の契約期間を確認しておきましょう。
定期的にMAツールの効果検証を行ってみよう
MAツールの乗り換えを検討する際には移行前のツールと移行後のツールの違いをしっかりと把握しておくことが重要です。
例えば、移行前後でデータの保持方法が異なる場合、データ移行前の下準備等に手間や時間がかかることがあります。
移行後にすぐに運用するつもりが移行に手間取ってスタートが遅れてしまったというケースもありますので、予めしっかりと確認しておきましょう。
MAツールは一度導入して終わりではなく運用が重要ですので、設定と合わせてツールの定期的な見直しもおすすめです。