日本でもD2C(Direct to Consumer)ブランドを中心にShopifyを利用したECサイトの人気が高まっており、その中でも「カゴ落ちメール」の利用が増えてきています。
カゴ落ちメールはかんたんな設定でできるだけでなく、売り上げに繋がりやすいマーケティング施策であるため、EC事業者はぜひ押さえておくべき施策の一つです。
そこで今回は、Shopifyでカゴ落ちメールを送る方法とポイントについてご紹介いたします。
目次
かご落ちメールとは
カゴ落ち(カート放棄とも呼ばれています)とは、ユーザーがECサイトのカートに商品を入れたまま放置し、購入に至っていないケースのことを指します。
では、どの程度の商品がカゴ落ちしたままになっているのでしょうか。
ECサイトの調査を行っているBaymard Instituteによると、過去の年代の各社より発表されたデータの平均をとると「世界平均のカゴ落ち率は69.8%」と発表があります。
参考:44 Cart Abandonment Rate Statistics(44のECサイトのから見るカート放棄率調査結果)
また、上記サイトを元に年代ごとの平均推移を見ていくと以下のようなデータとなりました。
業界や商品単価によってもばらつきはあるものの、ECサイトを運営している方からすると70%近い商品やサービスがカゴの中に入ったまま購入一歩手前で眠っているという事は、金額ベースで見てもかなり損失のインパクトが大きいものと言えるのではないでしょうか。
そのため、この数値を数%改善するだけでも売上向上に繋がることは間違いないと言えるでしょう。
Shopifyでカゴ落ち、カート放棄対策を行う方法とは
カゴ落ちへの最も有効な施策は、ユーザー毎にカゴの中に入っている商品を変更して配信するリテンションが有効です。
効果は業種にもよるものの、弊社実績でも数%〜10%以上改善される場合も見受けられました。
Shopifyでのカゴ落ち対策を行う方法としては大きく分けて2つの方法があります。
Shopifyアプリを使う
Shopifyでは便利で使いやすいアプリがたくさん用意されており、カゴ落ち対策のアプリも多く利用することができます。
例えば、以下はよく利用されていて評判も良いアプリです。
- Rivo Abandoned Cart Recovery(無料)
- Privy ‑ Pop Ups, Email, & SMS(無料~15ドル 約1709円/月)
- Automizely Emails & Pop Up(無料~95ドル 約10,853円/月)
外部サービスを使う
上記のようなShopifyアプリとは別に、メール配信システムやMAツールと連携して対策を行う方法もあります。
Shopifyアプリは比較的簡単に導入することができますが、英語での設定がメインとなってしまいますので、日本語で設定を行ったりサポートを受けたい場合は特にMAツールやメール配信システムを利用するのがおすすめです。
また、配信チャネルはメールが最も一般的ですが、日本国内では特に若年層をターゲットに商品を販売しているサイトでは、「LINE」からカゴ落ち施策を配信することで高い効果が見込める場合もあります。
弊社のMAツール「HIRAMEKI XD(ヒラメキクロスディー)」ではメール、LINE、SMS、ブラウザプッシュといった複数の配信チャネルからカゴ落ち施策の配信を行うことができます。
カゴ落ち施策の効果を高めるポイントについて
カゴ落ち施策の効果を高めるためには、ただ配信するのではなく適切なコンテンツを適切なタイミングでOne to One配信することが重要です。
では、実際に施策を行う際の代表的なポイントについて見ていきましょう。
商品をユーザーごとに変える
カゴ落ち施策はユーザーごとにカゴ落ちしている商品が異なるため、一人一人に合わせたコンテンツを送りましょう。
同じ商品をカゴ落ちしている場合でも、ユーザーによってはカゴ落ち中の商品は1つだけの場合もありますし、5個や10個と複数種類をカゴの中に入れたままになっていることも珍しくありません。
そのため、出来ればカゴの中に入っている商品が複数ある場合は、それぞれの商品をメールやLINEなどの文章内に差し込みを行い、カゴ落ちしたタイミングから新しい順にメールへ掲載することがオススメです。そうすることで、お客様の記憶の中に残っている商品をリマインドできる可能性が高くなり、カゴ落ち施策のクリック率や売上アップの向上を期待できます。
また、カゴ落ち施策のコンテンツには「商品画像」や「商品名称」、「商品金額」、「説明文」などを差し込みとして入れ込むことが一般的ですが、ABテストを行い、様々な内容を試すことで改善していくこともオススメです。
タイミングは早く、何度か送る
カゴ落ちしてから時間が空いてしまうと他サイトで購入されてしまうことや、購買意欲の減少が起こりやすいこともあり、カゴ落ちしてから対策が早ければ早いほどCVRが高くなりやすいという結果も出ております。
出来るだけ早いタイミングでカゴ落ち施策を配信することで購買の機会を失わないようにフォローをしてみてはいかがでしょうか。
例えば、
- 最初のメールはカゴ落ちの1時間後に送る
- 2回目のメールはカゴ落ちの 1日後に送る
- 3回目のメールはカゴ落ちの 3日後に送る
といったように少し間を開けて複数回送ることで、時間が空いてもユーザーにカゴ落ち中の商品を思い出してもらうことで売り上げにつながることが確認できています。
口コミや事例を送る
購入を迷っているユーザーは他のユーザーが購入して良かったか、効果があったかを気にしているのではないでしょうか。
カゴ落ちしている商品の口コミやレビューを送ることで購買意欲を高めることに繋がる可能性があります。
割引を提供する
カゴ落ちの理由として最も考えられる要因は、料金の問題があります。
商品が高いために迷っている場合もあれば、送料など追加コストがかかってしまうことを嫌がっている場合もあるでしょう。
割引をしても問題のない商品であれば割引を検討してみることもおすすめですが、割引を行うことで利益が減ってしまうことにも繋がるため慎重に行うことをオススメします。
カゴ落ち対策は売上向上が見込めるため早めの対応を
カゴ落ち対策は売上向上が見込める対策のため、出来るだけ早く対応を行うことがおすすめです。
特に、ShopifyでECサイトを作っている場合には比較的簡単に導入が行えますので、カゴ落ち対策を検討してみましょう。
弊社では売上に対するカゴ落ちのインパクトや改善によって、どの程度売上アップに繋がるかといったご相談もお受けしておりますので、是非ご相談いただければと思います。