近年では国内だけではなく海外向けへの通販サイトに力を入れている企業が増えています。
なかでも、カナダ発のECサイト構築サービス「Shopify(ショッピファイ)」は越境ECの構築を視野に入れている日本ブランドからも注目されています。
そこで今回は、特に越境ECを視野に入れている事業者むけに、Shopifyの気になる「費用」と「機能」について解説いたします。
Shopifyが越境ECで人気がある理由とは
さっそく、Shopifyが越境ECで「人気がある理由」について見ていきましょう。
多言語対応が可能
そもそも、グローバル向けのECサイトを構築するのであれば、サイトを多言語化しなければなりません。
母国語が表示されないECサイトからはユーザーが離脱してしまう可能性が非常に高くなります。
Shopifyでは標準でも複数の言語に対応しており、Shopifyアプリを活用すれば200言語以上を自動で翻訳してユーザーに合わせて表示させることができますので、サイトを簡単に多言語化し、海外でも販売したい方はShopifyを利用するのがおすすめです。
豊富な決済手段
グローバルでECサイトを展開するうえでは「決済方法」も重要なポイントとして挙げられます。
越境ECでは幅広いユーザーへ販売を行うため、各国で主流な決済方法が異なってくることから、決済方法は多ければ多いほど良いとされています。
ちなみに、Shopifyでは100種類以上の決済方法を簡単に導入することができます。
クレジットカードはもちろん、PayPalやApple Pay、携帯キャリア決済まで幅広い決済が可能です。
さらに、ShopifyペイメントというShopify専用の決済方法を利用すれば、取引手数料が無料になり、顧客はカード情報の入力や決済画面の移動がなく簡単に支払うことができます。
多国通貨での決済が可能
Shopifyは100ヵ国以上の通貨に対応しており、自動で為替レートを適用させて変換することも可能です。
Shopifyアプリを利用することでユーザーの位置情報を取得し、自動で現地通貨を表示させることもできます。
ロジスティクス業務の利便性が高い
越境ECサイトを運営するには、海外向けのロジスティクス業務の運用も必要です。
しかし、自前で配送や在庫管理を行うことは簡単ではありません。
Shopifyでは海外配送業務をサポートするアプリが非常に揃っており、配送料の計算や配送ラベルの作成・印刷などを簡略化することも可能です。
Shopifyの各プランの費用について
まず前提として、Shopifyはプランごとに値段と機能が変わります。
基本プランとして上記の画像のようにベーシック、スタンダード、プレミアムの3つのプランがあり、この他に一番低価格な「Shopifyライト」と大規模サイト向けの「Shopify Plus」の合計5つのプランがあります。
どのプランも初期費用は不要で、いつでもプラン変更をすることができます。
では、Shopifyの各プランの詳細について見ていきましょう。
Shopify ライト:月9ドル( 約1,025円)
ShopifyライトはECサイトの構築はしないで、カートボタンを設置する機能のみになります。
例えば、既にあるWebサイトやFacebookなどのSNSにShopifyのカート機能を利用することで簡単に販売ができるプランです。
月額費用は9ドル(約1,025円)と非常にお安いので、既にサイトやSNSの集客がある方で通販を試してみたい方におすすめです。
ベーシック:月29ドル(約3,305円)
ベーシックプランは月額費用29ドル(約3,305円)と主要なプランの中で一番お手頃なプランです。
ベーシックプランからECサイトの構築が可能となり、利用されている方が最も多いプランだと思います。
ベーシックプランの手数料
- 日本のクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると3.4%
- 海外のクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると3.9%
- JCBのクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると4.15%
- PayPalなど外部決済サービスを利用の場合にはPayPalの手数料+2%
ベーシックプランは管理者アカウント数が2つのため、共通のアカウントで管理をするか少人数で管理、運営を行う予定の方におすすめです。
また、ベーシックプラン以上では日本語のメールサポートとSNSサポートも付いているので英語が苦手な方でも安心して利用ができます。
これから新しくECサイトを始める方にとっても一番お手頃なプランと言えるでしょう。
スタンダード:月79ドル(約9,004円)
スタンダードプランは月額費用79ドル(約9,004円)と各プランのなかでちょうど中間にあたるプランです。
クレジットカード手数料や取引手数料がベーシックプランよりも低く設定されており、スタッフアカウント数が5つまで増えます。
スタンダードプランの手数料
- 日本のクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると3.3%
- 海外のクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると3.85%
- JCBのクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると4.1%
- PayPalなど外部決済サービスを利用の場合にはPayPalの手数料+1%
スタンダードプランから「プロフェッショナルレポート」と呼ばれる機能が利用可能となり、リピーターユーザーの情報や初めてのユーザーとリピーターの販売比較、国別のユーザーデータなどを分析できます。
また、複数言語での販売や為替レートを固定で設定することもできるため、海外への販売も行いやすくなるでしょう。
プレミアム:月299ドル(約34,079円)
プレミアムプランは月額費用299ドル(約34,079円)の上位プランとなります。
その分手数料が安くなっていたり、管理者アカウント数が15個まで利用が可能になったり、レポート機能もさらに充実したものが利用することができたりと機能が充実しています。
プレミアムプランの手数料
- 日本のクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると3.25%
- 海外のクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると3.8%
- JCBのクレジットカード決済の手数料はShopify ペイメントを利用すると4.05%
- PayPalなど外部決済サービスを利用の場合にはPayPalの手数料+0.5%
既にある程度の規模感でECサイトを展開している場合での乗り換えや、会員数が多くて売り上げが見込める方にとってお勧めといえるでしょう。
複数言語も5つまで対応しているので積極的に海外展開を行いたいECサイトにピッタリです。
Shopify Plus:月2,000ドル(約227,958円)
Shopify Plusプランは、月額利用料2,000ドル(約227,958円)からとなっており、他のプランと比べて高い金額設定になっています。
Shopify Plusプランでは、ある程度カスタマイズをして独自のECサイトを運営したい場合にも、通常のECシステムの構築が平均で12〜18ヶ月程度かかるのに対して、Shopify Plusでは3〜4ヶ月程度で自社ECを構築できることが売りとされています。
Shopify Plusでは
- 画面や機能のカスタマイズ
- フラッシュセール(時間限定の大量販売)
- B2B向けEC
など、高度なEC機能が利用できることから、カスタマイズして本格的にECサイトを行う方に向いているプランと言えるでしょう。
グローバル展開している企業が国別にECサイトを大量に利用したい場合にもおすすめです。
越境ECも考えているショップは、今後はShopifyも選択肢に!
日本のブランドでも、実際にShopifyを使って越境ECを構築している事例が複数出てきています。
Shopifyでは「今すぐに越境ECを始めることは難しいけど、いつかは進出してみたい!」というケースでも、まずは、国内向けECから始めて軌道に乗ってきたら越境ECも始めることができます。
さらに、Shopifyは事業規模に合わせたプランを幅広く展開しておりますので、自社ECに最適なプランを選択して成長していくことができるでしょう。
まずは、他社事例をいくつか参考にして自社ECのビジョンを決めていくことをおススメします。
※本文中の日本円・ドルの金額換算については、10月22日時点の為替レートで算出しています