BtoC企業の顧客管理やLTVの向上を目的としてMA(マーケティングオートメーション)を導入している企業が増えています。
ECサイトを運営している企業では検討している方も多いのではないでしょうか。
今回はBtoC企業がMAを導入する際に設定しておくべき項目と方法についてご紹介いたします。
目次
BtoC企業がMAを導入するメリットとは
BtoC企業がMAを導入するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
BtoC企業がMAを導入する目的は「売上げを上げること」、「コストを下げること」を通じて、高い費用対効果を発揮することが考えられます。
例えばBtoC企業でMAの利用が多いECサイトの場合、売上を上げるためにはone to oneでのリテンション施策が最も代表的で効果的です。
リテンション施策の例は以下のようなものがあります。
- カゴ落ち ( カート放棄 ) リマインド
- お気に入り登録リマインド
- 商品閲覧 履歴リマインド
- 再入荷リマインド
- 値下げリマインド
- 在庫残少数リマインド
- レコメンドリマインド
配信チャネルとしては メールが一般的ですが、LINEやWEBプッシュ、SMS、アプリ通知で配信するサイトも見受けられます。
顧客ごとに最適なタイミング、コンテンツ、チャネルを組み合わせることで高い効果が期待できると言えるでしょう。
BtoC企業がMAを導入する際に設定しておくべき項目について
BtoC企業がMAを導入する際に設定しておくべき項目はどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な項目について見ていきましょう。
属性系データ
属性系データは顧客の属性に関するものになります。
属性系データは既に自社で保有しているデータやECサイトに購買データがあれば、MAにデータをインポートするかシステム連携することで取り込むことが可能です。
また、新規顧客のデータ取得に関しては会員登録フォームやカートにMAのタグを入れておく必要がありますので必ず導入時に設定しましょう。
例えば性別、都道府県、年齢、職業、お名前、年収といったものが挙げられます。
訪問系データ
訪問系データとはwebサイト上での訪問データになります。
訪問データを履歴として保存しておくことで訪問回数、訪問の期間、どこのページを訪問しているのかといったものが挙げられます。
訪問系データもサイトの方にMAのタグを設定しておく必要がありますので導入時に設定しておきましょう。
流入系データ
流入系データとはどこからサイトに流入してきたのかのデータになります。
オーガニック検索、広告、SNS、外部リンクなどの流入が挙げられます。
デバイス系データ
デバイス系データとはどのデバイスでサイトを閲覧しているのかになります。
スマホからの閲覧が多いようであればスマホに最適化されたサイトになっているのかの確認をしましょう。
また、コンバージョンに繋がる確率がどのデバイスが高いのかを分析しておくことも有益です。
BtoCであればスマホからのアクセスが多い可能性が高いのではないでしょうか。
アクション系データ
アクション系データとはサイト上でどのような行動をしたのかといったデータになります。
例えば会員登録、お気に入り登録、メルマガ開封、商品購入などがあります。
ECサイトで効果が出る商品と紐付けたMAの設定方法
ECサイトでは様々な商品を扱っていると思いますが、商品と紐付けたMAの代表的な設定方法について見ていきましょう。
値下げ、SALE
商品が従来の販売価格から値下げされた場合、興味関心のあるユーザーは購買の可能性が高くなります。
セールの実施に反応する可能性が高いのは、該当商品をカートに入れたものの、そのまま放置している顧客です。
一度はその商品を購入しようとしたものの価格面で検討している可能性が考えられます。
一方で注意が必要なのは過去に同一商品を購買した顧客です。
過去に同じ商品を購入した顧客はセールの情報を目にしたとき「高いときに買ってしまった」と感じ、ECサイトの購入を躊躇する可能性があります。
値下げ対象となる商品を購入していない顧客のみに通知をする、もしくは消耗品のように定期的に購入される商品であれば購入から一定の期間が経過している場合のみ通知するなどの条件設定をしておくことが重要です。
商品在庫が少なくい場合
商品在庫が少なくなってきたときには、カートに入れて放置している顧客やお気に入り登録している顧客への通知が有効です。
在庫数が減っているということになれば急いで購入してくれる可能性が考えられます。
「値下がり」の場合と同様に、既に購入したことがあるユーザーには響かない可能性があるので注意が必要です。
新着商品の販売
新着商品の販売が予定されているとき、あるいは販売が開始されたときにも通知を送ることで高い成果が期待できます。
新着商品の場合には登録している顧客に対して一斉配信してしまうことも一つの方法ですが、色々なセグメントの顧客がいる場合には新着商品に合わせたセグメントに対して配信する方が良いでしょう。
例えば「Aブランドの別の商品を購入したことがある(お気に入り登録したことがある)顧客」は、Aブランドのファンであるか、または同じジャンル商品への関心が高い顧客の可能性が高いため、Aブランドから新たに発売された商品に強い関心を抱くと考えられます。
商品の再入荷
一度在庫なしとなった商品が再入荷した場合には、再入荷のお知らせを許可している顧客やお気に入りに登録している顧客への通知が有効的です。
「あとで購入しようとしてカートに入れたが、いつの間にか在庫ゼロになってしまった」、「お給料が入ったら購入しようと思ってお気に入り登録したが、在庫がなくなってしまった」といったユーザーは、再び商品が購入できる状態になったなら購入したい、と思っている可能性が高いからです。
MAを利用して売上アップを目指そう
BtoCでは一斉配信だけではなく、顧客毎にカスタマイズされたおすすめ情報が表示されるというone to oneマーケティングの手法が常識となっており、全てのユーザーに同じ情報を発信しても高い効果が期待できなくなっています。
そのためには顧客ごとのデータが必要となり、一人一人に合わせたコンテンツ配信が重要です。
MAを利用することで人的リソースの削減が期待できますので、できるだけ早いタイミングからMAの設定と利用を行い、マーケティングの効果を高めていきましょう。