近年BtoBマーケティングにおいて、自社サイトにアクセスしてきた見込み顧客を、MAなどを活用し、いかに効率よく育成し売上につなげていくかが、大きな課題になっています。
そんな中、IP解析をマーケティングに活用する動きが注目されるようになってきました。
今回はIPアドレスの基本的な内容から、その解析のメリット、またIP解析をどのような形でMAに活用するのかについて説明いたします。
IPアドレスから企業がわかる仕組みとは
IPアドレスとは、インターネットに接続する機器1台1台に割り振られた番号で、よく「ネットワーク上の住所」と説明されます。
IPアドレスは「123.456.7.89」 というような数字とドットを組合せて表現します。
IPアドレスから個人を特定することはできませんが、契約しているプロバイダやIPアドレスの所有者(企業など)、国、都道府県などの地域情報を得ることができます。
大手企業やネットワーク環境に精通している企業の多くは、会社で固有のIPアドレスを所有し公開しています。
そのため、WEBサイトにアクセスしたIPアドレスを元にIP解析を行うことで、どこの会社がサイトを閲覧したのかを把握することが出来るのです。
一方でIPアドレスからすべての企業を特定できるわけではありません。
例えばWebサイトを保有していない企業の場合、調査の材料が乏しく、充分な情報を集めることが難しくなります。
また、一般家庭用のインターネット接続サービスを使用している場合、IPアドレスに対応する企業はサービスを提供しているインターネットプロバイダ会社となるため、それ以上の情報を得ることは困難です。
IP解析から企業名を分析するメリットとは
まず、IPアドレスの一般的な解析方法についてご紹介します。
通常Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いることで、自社サイトを閲覧したユーザーのIPアドレスを得ることができます。
そこで得られたIPアドレスを入力するだけで、付随する情報を得られる無料サービスがたくさんあります。
例えば、日本に割り当てられたIPアドレス等を管理している日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)のWEBサイト(https://www.nic.ad.jp/ja/)などからもIPアドレスから企業名を調べることが出来ます。
しかし、全てのIPアドレスを調べ挙げて、1つずつ企業名を特定する作業は大変な手間がかかります。
近年では多くの企業からこれらのIPと企業情報が一括で調べることが出来るIP解析ツールが開発されています。
IP解析ツールを利用すれば、アクセスしてきたユーザーのIPアドレスから自動で企業名や電話番号などの情報を紐づけてくれるので、手間無く企業名の把握やリストアップが行うことができるのでおすすめです。
また、企業名以外に次のような項目の情報も取得することが出来ます。
企業情報のデータベース項目の一例
- 企業名
- 国
- 都道府県
- 市区町村
- 電話番号
- FAX番号
- 上場区分
- 設立年月日
- 資本金
- 従業員数
- 売上高
- 代表者名
- 業種分類
- etc.
Webサイトを閲覧するということは、自社や自社サービスに少なからず興味や関心があると言えます。つまりWEBサイトを閲覧している企業は潜在的な見込顧客と考えられるでしょう。
IP解析によってWebサイトに来訪した企業名分析することによって、営業にとって有望な見込み顧客を発見でき、アプローチするきっかけにすることができます。
IPアドレスをMAで活用するには
近年、多くの企業が導入しているMAツールでもIP解析機能を含んだサービスも提供されております。
MAは、質の高い見込み顧客を創り出す過程の中の、様々な場面で貢献する、多様な機能を備えており、IP解析機能と連携させることで、より効果的な活用が可能となります。
例えば、MAでは一度でも見込み顧客の情報を取得することが出来れば「誰が」、「いつ」、「どのような行動をしたか」を簡単に管理することが出来ます。
しかし、逆に言えば見込み顧客の情報を取得することが出来なければ「いつ」、「どのような行動をしたか」はわかるものの、「誰が」についてはわからないままの情報収集となってしまいます。
ここでIP解析機能を用いて企業名を割り出すことが出来れば、「誰が」の部分が個人名まではわからなくても、どこの企業の人がどのような行動をしているのかを割り出すことが出来るようになります
Web行動解析で判明するユーザーごとの閲覧ページや検索キーワードと、IP解析で判明した企業名をリンクさせることで、この企業は何に興味があり、検討度合いはどうか等の顧客動向を把握することができ、早い段階からの営業アプローチも可能となる場合もあるでしょう。
特にIP解析で判明した企業の規模が大きくない場合には、担当者の人数も限られることからアウトバウンドを直接してみても良いかもしれません。
IP解析で企業名が判明したアドレスにのみ、リタ―ゲディング広告を配信したり、Webサイトのコンテンツを切り替えたりすることも可能です。
他にも、リードの優先順位をつける段階でIP解析により判明した企業規模や業種によって、付与するスコアを調整するなどの活用も有用です。
単に企業が判明するためのIP解析だけでなく、その後のマーケティング活動と連動させることで高い効果が見込まれるのではないでしょうか。
IPアドレスマーケティングとは
今回は、IPアドレスとは何か、IPを用いてより企業名を解析するメリットやMAやBtoBマーケティングにその情報を活かす方法はどんなものがあるのか、ご紹介しました。
IPアドレスの解析を行えば、自社サービスに興味を持って頂いている企業に、こちら側から効率的にアプローチをすることもできます。
ただ、IP解析を行っても全ての企業が割り出せるわけではありませんので、現在行われているマーケティング活動に追加することで効果を高めるといった考え方が良いかもしれません。
弊社のMAツール「xross data」でもIP解析機能の提供を行っていますので、一度試して見たい場合には無料トライアルをお待ちしています。