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カゴ落ちメールの効果的な運用手法とは?

 

2017年頃から流行したカゴ落ちメール。MA(マーケティングオートメーション)ツールにカゴ落ちフォローの機能が搭載されたことを皮切りに、カゴ落ち対策専用のツールも多く市場にリリースされ、2020年現在ではコモディティ化した施策の一つとして認識されるまでに至りました。

 

しかしながら「カゴ落ちメール」と一言で括っても、配信タイミングや頻度、メールタイトル、掲載する文面や商品点数などECサイトにより様々です。

各社で試行錯誤を続けていると思われますが、どのタイミングでどのような文面でカゴ落ちメールを配信すれば効果が上がるのか?

カゴ落ちメールを効果的な施策とするための手法とツール選びの注意についてご紹介します。

 

 

配信タイミングは早いほど効果的

カゴ落ちメールは配信するタイミングが重要です。商材やユーザー層にもよりますが、一般的にはカゴ落ちしてから時間が経過するほど効果が薄くなります。

 

以下はxross dataでカゴ落ちメール配信を実施しているサイトのうち、3サイトで1時間後、1日後で検証したデータの平均値です。

 

配信タイミング CVR
1日後 2.94%
1時間後 15.15%

 

CVR = 購入数÷カゴ落ちメールからの流入数×100

 

これを見ると分かるように、短時間のうちに配信した方が、圧倒的に効果が高いことが分かります。

 

極端な短時間での配信は逆効果も

ツールによっては、カートに投入してから10分間、購入がなければ配信できるものがあり、リアルタイムに近いタイミングでユーザーにリテンション訴求を可能にしています。

しかし、まだショッピング中なのにカゴ落ちメールが来ると、ユーザーによっては監視されている感が強くなり、購入に意欲的だったモチベーションが低下する可能性もあり得ます。

 

したがって、配信タイミングはカート投入後、早くても30分〜1時間とすることが良いでしょう。

xross dataでは、最短で10分後にカゴ落ちメールを配信できますが、通常は1時間〜2時間後に配信設定することを推奨しています。

 

尚、1時間に満たない短時間での施策は、WEB接客ツールなどを活用してWEBサイト上での施策を実施することがオススメです。

 

TOOL CHECK POINT

採用するカゴ落ち対策メールは短時間での配信に対応しているか?

 

 

ポッキリで終わっていないか?配信回数の最適化

カゴ落ちメールを配信して、それ以降放置しているECサイトの割合はかなり高いのが実情ではないでしょうか?

実はxross dataをご利用のECサイトも「1時間後にカゴ落ちメールを配信して終わり」というカゴ落ち1回ポッキリの設定をしている利用者が全体の9割を占めます。

 

しかし、一般的なメルマガに比べると、カゴ落ちメールはCVRが高く出る傾向があるため、最低でも2回はカゴ落ちステップメールとして送ることが良いと考えます。

 

アパレルECの事例

とあるアパレルECサイトでは、カゴ落ちメールとして1時間後/3日後/7日後/10日後の4回でステップ配信を設計して実施していました。

 

配信タイミング 配信数 開封率 CVR
1時間後 4,195 64.2% 13.9%
3日後 2,811 45.6% 5.0%
7日後 2,320 47.2% 10.2%
10日後 1,702 33.7% 7.6%

※カゴ落ちメール1ヶ月間の実績

※CVRは対流入の購入率

 

奇しくも、3日後のカゴ落ちメールが7日後よりもCVRが落ちていますが、この議論は別として、この数字を見る限りステップで複数回配信すると効果があることの証左となります。

 

追客しすぎはクレームになる可能性も

ただし、カゴ落ちステップ配信も注意点があります。

このアパレルECサイトは、これまで週1回のメルマガ配信しかしておらず、その他のメールは皆無でした。

もともと配信頻度が少ないなかで、カゴ落ちステップ施策を実施することで、ユーザーによっては高頻度でメールが送られることになり、嫌気のためかメルマガ解約率がアップしました。

現在は、1時間後、7日後の2ステップのシナリオでカゴ落ちメールを配信しています。

 

TOOL CHECK POINT

採用するカゴ落ち対策メールはステップ配信に対応しているか?

 

実は重要なプレッシャーコントロール

カゴ落ちメールに限りませんが、1社からのメール受信数が多いとメルマガ解除数の増加に繋がる傾向にあります。

例えばAさんが毎日サイトで商品をカートに入れて購入しないケースがある場合、Aさんには(中身の商品は別として)毎日同じカゴ落ちメールが届きます。

このように同じようなメールを高頻度で送信することは、企業のメールマーケティングとしては避けなければなりません。

これには、一度メールを配信したら○日間は同じユーザーに配信しないといった対策が必要で、配信頻度の調整機能が実装されているツールを採用することが求められます。

 

xross dataは、チャネル全体(メール、LINE、WEBプッシュ、SMS)の配信頻度調整、チャネル別の調整、配信単位での調整機能が実装されています。

例えば、本日カゴ落ちメールを配信したが、誕生日メールも必ず配信したいというケースでは、誕生日メールの配信頻度設定を「無視する」とすれば、カゴ落ちメール配信後でも、当日中に誕生日メールを送信することができます。

 

TOOL CHECK POINT

  • 採用するカゴ落ち対策メールはプレッシャーコントロールに対応しているか?
  • 頻度をチャネル/配信単位で設定できるか?

 

カゴ落ちメールの文例

カゴ落ちメールは、単純にカート放棄した商品を掲載するだけではなく、サブジェクトや文面を工夫することが必要です。特にサブジェクトは開封率に直接的な影響を与えるため重要な役割を担います。

以下に、サブジェクトと入れるべき文面の一部を紹介します。

 

サブジェクトのありがちな間違い

カゴ落ちメールに限らずメールのサブジェクトは開封率に大きく影響します。サブジェクトに設定するクリエイティブで間違いとして多いのが、先頭にショップ名を記載することです。

 

 

スマートフォンで受信BOXを見ると、上図のように送信者名が最上段に表示され、その下にサブジェクトが表示されます。

これを見るとサブジェクトにはショップ名が必要ないことがお分かりかと思います。

また、サブジェクトにショップ名を入れると、(端末の文字サイズにもよりますが)本当に伝えたい情報が画面から見切れてしまいまいユーザーに訴求する力が削がれてしまいます。

 

これはカゴ落ちメールだけに限りません。もし現状でサブジェクトにショップ名を入れている場合は、直ぐに省略することをオススメします。

 

 

配信するタイミングによりサブジェクトを変更

カゴ落ちステップメールを送る場合は、ステップごとにサブジェクトや文面を変更してニュアンスを変えることで受け手の嫌気を逸らすことが重要です。

カゴ落ちなので同じサブジェクトにしがちですが、これは避けましょう。メールの振り分けを行っていると同じサブジェクトのメールが並び、同一の内容のメールと認識されて開封せずに削除される可能性があるためです。

 

たとえばステップメールを2回とした場合は、以下のサブジェクトにすることが考えられます。

 

1通目(1時間後): お買い忘れはありませんか?

2通目(3日後) :  ○○様に”オススメの商品”をお知らせします。

 

1時間前であれば「カートに入れた」ことを覚えているユーザーは多数いると思いますが、3日に覚えているユーザーは少数でしょう。このため、サブジェクトに変化を付けて興味関心を誘うことを試してください。

 

必ず入れておきたい!エクスキューズの文面は?

カゴ落ちなど、行動ログをトリガーにした施策では、メールを配信するタイミングによっては、すでに購入していたり、メールに掲載した商品の在庫がなくなっていて、ユーザーに迷惑を掛けるケースがありますので、必ずエクスキューズの文面は入れておきましょう。

 

これまでにご興味を持たれた商品を紹介させて頂きます。なお、すでにご購入済みの場合にも、本メールが送信されることがございますのでご了承ください。

 

これは一例ですが、このような文章一つを入れておくことで、ユーザーへの説明責任を果たすとともにクレームを防ぐことができます。

 

A/Bテストで最適解を見つける

カゴ落ちメールはメルマガと異なりCVRが高い傾向にあるため、一度配信設定をすると効果測定の数字だけチェックしてコンテンツのメンテナンスを怠りがちです。

しかしCVRが高いからといって放置してはいけません。もっと効率的にCVRを高める対策があるためです。

 

掲載する商品内容で変化が

以下は、コスメ系ECサイトで、カゴ落ちメールに掲載する商品パターンを変えてA/Bテストを行った事例です。

 

 

パターン1)カート放棄した商品のみリマインド

  • 商品画像大
  • 画像、商品名、商品POPを縦置き
  • 最新のカゴ落ち商品の1つのみ掲載

 

パターン2)カート放棄した商品+オススメ商品をリマインド

  • 商品画像小
  • 画像と商品情報を横置き
  • カゴ落ち商品は3点まで掲載

 

パターン クリック率
A 12.5%
B 8.29%

※クリック率は、メールからサイトに遷移するすべてのリンクを対象。

 

この事例では、商品掲載数が少ないパターンAが有効と判断できますが、商材によっては陳列した方がクリック率が高くなることもあり得ます。また、商品価格や商品説明の掲載有無でもクリック率に影響が出るため、はじめにパターンを設計したうえで、計画的にA/Bテストをして自社ECサイトの商材にマッチしたメールコンテンツとなるように試してください。

 

A/Bテストは同一期間で実施する

A/Bテストは期間A、期間Bといった別の期間で見るのではなく、同じ期間での比較が重要と考えます。特に、季節性の高い商材を扱うECサイトでは、新商品の発売タイミングにより効果測定値に偏差が出るためです。

さらに、パターン別にサブジェクトを変えて開封率のA/Bテストも同時に行うことも検討してください。

 

このように、サブジェクトや掲載する商品内容によりどの程度効果が異なるのかA/Bテストを繰り返し、自社ECのカゴ落ちメールの最適解を見つけましょう。

 

xross dataは、A/Bテストの機能がついています。配信リストの抽出後に、パターン配信割合によってそれぞれのメールテンプレートに割り振りして配信することができるため、同じ期間でパターンの比較が可能です。

 

TOOL CHECK POINT

  • A/Bテスト機能が付いているか?
  • 差込商品点数の変更ができるか?
  • サブジェクトもA/Bテストが可能か?

 

 

商品マスター連携でさらにUXの向上を

カゴ落ちメールの配信タイミングによっては、在庫切れの商品や販売終了した商品をリマインドしてしまうケースがあるため、エクスキューズの文面が必要と述べました。しかし、これはあくまで事業者側の事故防止に過ぎず、ユーザーの体験を向上させる策にはなり得ません。

 

例えばカゴ落ちステップで2度も3度も在庫切れ商品がリマインドされたら皆さまはどう感じるでしょうか?

 

UXの観点から、商品マスターを連携して在庫数や販売期間、販売ステータスなどの情報を参照して商品の出し分けを行うことができるツールを選択しましょう。また、マスターを連携するのであれば、単純に在庫数などの情報を使った商品の出し分けだけでなく、販売開始日をトリガーにした新着メール配信や、値下げメール、再入荷通知などの機能があった方がよいでしょう。

 

xross dataは、商品マスター連携により在庫数や販売期間、ステータスを参照してメール内に掲載する商品の選別を行うだけでなく、商品データトリガー機能で、新着メール、値下げメール、再入荷メールなど条件を指定した配信に対応しています。

 

TOOL CHECK POINT

  • 商品マスター連携機能が付いているか?
  • 商品マスターのデータをトリガーとした配信機能が付いているか?

 

 

まとめ

「カゴ落ちメール」といっても考慮すべき点は多々あります、またツールによって実現の可否はまちまちです。

カゴ落ちメールは、ブラウザ放棄メールやお気に入りリマインドメールと仕組みが同じなので、カゴ落ちメールで実現できることが他の行動ログをトリガーとしたメール配信に適用されます。

導入を検討している、または導入しているツールが、自社ECサイトで実現すべき機能を満たしているのか、これを機に再検討されては如何でしょうか?

 

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カテゴリー: カゴ落ち, マーケティング, メール