業種や規模に関わらず、多くの企業で行なわれているメールマーケティング。メールマーケティングの代表と言えば、メールマガジン(以下メルマガ)でしょう。
既にメルマガを取り入れている企業は多いものの、効果が薄れてきているのでは?という声も聞かれます。
今回は効果的なメールマーケティングを行うためにも、メルマガの開封率についてご紹介させていただきます。
目次
メルマガ開封率とは
メルマガ開封率とは「メール開封数÷メールの有効配信数」×100(%)という計算式で表されます。
メールの有効配信数が多いのにも関わらずメールの開封率が低いと、実際に読まれているユーザー数が少ないことになるため効果的では無い可能性が高くなります。
計測の仕方はHTMLメール内に開封タグを画像に埋め込むことで、開封率を計測する方法が一般的です。画像を使用するので、テキストメールではなく、HTML形式であることが必要です。
多くのメール配信システムにメール開封率を取得できる機能がありますので、こちらを利用するのがおすすめです。
業種ごとの平均メール開封率とは
自社でメルマガを行う際に、同業他社と比べて効果が出ているのか出ていないのか気になる方も多いはずです。
また、他の業種と比べて自社が属している業種がメルマガ開封率が高いのか低いのかを知りたいという方もいるでしょう。
smartinsights.comが発表したメルマガにおけるから代表的な10業種についてメルマガ開封率をご紹介させていただきます。
業種 | メルマガ開封率 | モバイル比率 | クリック率 |
教会・宗教 | 24.77% | 71.14% | 6.69% |
教育(小中高) | 23.74% | 72.93% | 7.83% |
社団・協会 | 22.92% | 62.02% | 7.91% |
行政 | 21.56% | 65.94% | 9.14% |
医療 | 16.99% | 66.90% | 6.23% |
不動産 | 15.80% | 53.00% | 6.32% |
飲食 | 15.59% | 62.63% | 4.22% |
旅行・観光 | 15.46% | 51.39% | 6.69% |
自動車 | 13.17% | 67.15% | 5.79% |
小売 | 11.84% | 59.86% | 6.70% |
参考 : smartinsights.com Email marketing engagement and response statistics 2018
メルマガ開封率1位は「教会・宗教」という結果が見受けられました。
自ら信仰している教会・宗教からのメルマガについては、多くの方が興味関心を持っているというエンゲージメントの高さが出ていると言えるでしょう。
逆に普段からメルマガの配信数が多いことが予想される業種、競合他社が多い業種、メルマガに販売目的の内容が多く含まれる業種については開封率が低くなる傾向が読み取れます。
メルマガの開封率における平均とは
上記でご紹介したように、メルマガの開封率は業種によっても異なりますが、開封率の平均はどの程度なのでしょうか。
メルマガを配信するターゲット層によっても異なるので一概には言えませんが、メルマガにおいて目標にすべき平均開封率は10~20%程度に置いている企業が多いようです。
- 一般的な顧客 10%~20%
- 優良顧客 20%~30%
- 休眠顧客や新規見込顧客 5%~10%
メルマガ配信数が多くなると開封率が10%を下回ってしまう場合も見受けられますし、開封率が低くなると同じユーザーばかりにしか情報が届かない可能性も高くなってしまいますので、配信数を増やして開封ユーザー数を増やすよりもメルマガの開封率を上げることを意識しましょう。
メルマガの開封率を上げるには
メルマガのKPIには開封率の他にも、「クリック率(CTR)」、「コンバージョン率(CVR)」、「売上金額」などがあります。
メルマガからの成果を出すためには、まずメールを開いてもらう必要があるため、開封率を最重要KPIと設定している企業がほとんどです。
メルマガ開封率を上げるためのタイトル名のコツ
開封率に最も影響があるのはメルマガの「タイトル名」です。開封率を上げるためのタイトルのコツについて見て行きましょう。
文字数は10〜15文字以内に
メルマガのタイトル名は文字数が少ない方が開封率に繋がる傾向にあると言われています。
タイトル名が長すぎると受信一覧で表示の際に途中で切れてしまうことが原因でしょう。
多くのメーラーのタイトル文字数の表示は15文字程度となっておりますので、15文字以内に収めることをおすすめします。
興味を引きそうなキーワードを入れる
タイトル名に興味を引きそうなキーワードを入れるとさらに効果的です。
「限定」、「今だけ」といった時間を意識させるキーワードや「半額」、「無料」、「SALE」といった値段を意識させるキーワードなどが一般的ですが、過去のメルマガ施策の効果測定を行なって、開封率が高いキーワードを自社で調査しておくと知見が溜まって改善に繋がります。
配信元は企業名、担当者名の設定をする
メルマガの配信元(from)に名前を設定しないと、メルマガの送信者名がメールアドレスのままで表示されてしまいます。
どこから送られてきたメルマガなのか分かりやすいように、fromに企業名や担当者名を設定しましょう。
開封されやすい曜日、時間帯に配信を行う
メルマガの開封に影響があることとして配信する曜日や時間帯があります。
BtoCのメルマガであれば一般的には「出社前の時間帯」、「お昼休み前の時間帯」、「仕事帰りの時間帯」、「お休みの日」が読まれやすい傾向として知られています。
ただし、同じことを多くのメルマガ担当者が考えているため、埋もれてしまう可能性も否定できません。
曜日は火曜、水曜に配信するとメルマガ開封率が上がる企業が多いことが見受けられますが、自社の過去の効果測定から確認することをおすすめします。
メルマガの閲覧時間を計測してみる
メルマガの開封率と合わせて考えたいのが、開封されたメールが実際にどれだけ読まれているかということです。
とりあえず開封はしているものの全然見られていないことや、間違ってクリックしてしまい開封率が上がっていることも中にはあるのではないでしょうか。
閲覧時間を計測するためにはブラウザやメーラーなど一部制限がありますので、常に計測するのではなくたまに計測するくらいでも良いと思います。
WEBサイトやアプリの計測をする際には、滞在時間をKPIに置いていることも多く、メール配信の際にも自分たちの送っているメールはどれくらいしっかりと読まれているか知りたいという担当の方も多いかもしれません。
メルマガの開封率を上げるためには効果測定を継続的に行う
メルマガは一斉に配信を行うことができることもあり、費用対効果で大きく成果を出せる可能性がある施策と言えます。
その分他社との競争も激しくなりやすいため、コンテンツやタイミングなどを定期的に見直す必要があるでしょう。
ABテストを行なってみたり、たまに違う担当者がメルマガを行なってみて反応を比べてみるのもおすすめです。
メルマガの開封率を上げるためには他社などの成功事例を意識しつつ、自社内での効果測定を継続的に行なって改善していく地道な作業も必要となります。
短期的な開封率アップを目指すだけではなく、中長期的に効果の出るメルマガ施策として開封率アップを目指してはいかがでしょうか。