BtoBにおけるメールマーケティングは、メールを活用したマーケティング全般を指し、古くから活用されるマーケティング手法の一つです。
個人のメールアドレスに直接メッセージを送信することができるため、見込顧客や既存顧客との継続的な関係を構築していくために多くの企業が活用しています。
メールは文章のみで作成される「テキストメール」と、メール内に画像や文字の加工が出来る「HTMLメール」がありますが、BtoBのメールマーケティングではどちらを使うべきでしょうか。
今回はテキストメールとHTMLメールの特徴をおさえつつBtoBのメールマーケティングでの活用についてご紹介致します。
目次
テキストメールのメリットとデメリットとは
テキストメールは文章のみで作成されたメールのことを指し、送る側も送られる側も見慣れた形式のため、特別な知識は不要で気軽に配信ができます。
メルマガなどで用いられる際は、●◆▲▼【】などの記号を用いた装飾で強調したい箇所を目立たせる場合もあります。
テキストメールにおける押さえておくべきメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット:
- 専門的な知識がなくても簡単にメールを作成できる
- 受信者の環境に依存することなくメール文をそのまま確認できる
- HTMLメールに比べて迷惑メールに振り分けられる可能性が低い
デメリット:
- 開封率など効果測定をする指標の取得が簡単に出来ない
- メールリンクなどの計測用のアドレスがそのまま表示されてしまう
- 視覚的な訴求が出来ないため読んでもらえない可能性がある
- ブランドイメージの印象づけには不向き
テキストメールはHTMLの専門知識が不要で、画像や装飾なども使わないために比較的スピーディーに作成を行うことができます。企業のメールソフトやセキュリティソフトの中にはテキストメールしか受け取らないように設定されている場合もありますので、テキストメールの方が到達率は高くなる傾向にあります。
HTMLメールのメリットとデメリットとは
HTMLメールは、Webページを作成する際に使用するMarkup言語であるHTMLを利用したメールのことを指します。
HTMLタグを用いてメールを作成することで、文字の太さや色を変えたり、画像や写真を挿入することが可能です。また、メール全体のレイアウトも自由に設計することが出来ます。
文字と記号のみしか利用できないテキストメールとは異なり、 フォントの装飾やリンクや画像が挿入できるHTMLメールは、読み手に対して、より具体的で多くの情報を視覚に訴えかけることが可能です。
HTMLメールにおける押さえておくべきメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット:
- 開封率やクリック率などメール施策に活用できるデータを取得することができる
- 計測用のURLを画像や文字で隠すことができる
- 写真や装飾を使って視覚的に読者に訴えることができる
- サービスロゴや決まったカラーやフォントなどを利用することで、ブランドイメージを印象づける
デメリット:
- HTMLの記述など専門的な知識が必要になる
- 配信したメールが正しく表示されるかどうかは読者の環境に依存する
- メール自体の容量がテキストメールよりも大きくなる
- 迷惑メールとして振り分けられてしまう可能性がある
最近ではHTMLエディタの普及により、HTMLタグの知識を持っていなくても、ブログを書くような感覚でHTMLメールが比較的簡単に作れるようになりました。
BtoBの場合にはメール配信システムを利用することで、HTMLメールの編集が簡単に行えて解析もしやすいため多くの企業で導入が行われております。
BtoBのメールマーケティングの特徴
メールマーケティングはメールを用いたマーケティング全般を指し、インターネットの黎明期から存在する手法ですが、現在も強力なマーケティング施策として多くの企業に活用されています。
BtoB領域においては、新商品やセミナー、イベントの告知をはじめ、商品やサービスの検討状況の確認など幅広い活用シーンがあります。
一般的にBtoBのサービスは購入・契約に至るまでに多くの情報が必要で、検討期間も長いため、顧客接点をいかに増やすかが大きな課題になります。
メールマーケティングを活用することで、相手に直接会わずとも複数人とコミュニケーションがとれ、非常に効率的なアプローチが可能です。
また、マーケティングオートメーションと組み合わせることでOne to Oneでのメールマーケティングを簡単に行うことができるため、検討状況や予算に合わせた内容を最適なタイミングでお届けすることも行ってみても良いでしょう。
BtoBのメールマーケティングではテキストメールとHTMLメールどちらを使うべき?
テキストメールとHTMLメールのメリットとデメリットについてご紹介致しましたが、BtoBのメールマーケティングではどちらを使うべきなのでしょうか。
現在ではスマホの普及に伴いHTMLメールを受信できる環境が増加したこと、HTMLタグの知識が無くてもHTMLメールを作成することの出来るツールが普及してきたことなどもあってHTMLメールを利用する企業が増えています。
また、HTMLメールの場合、開封率を計測することで、自社のメルマガがどれくらい読まれているかを把握し、その数を増やしていくためのアクションを設定できますので、マーケティング施策との相性はテキストメールに比べ良いと言えます。
一方で、金融などのセキュリティが厳しい業界などではテキストメールしか受け取れないという企業もあり、HTMLメールでは迷惑フォルダに入ってしまいメールが届かないという可能性も考えられます。
テキストメール、HTMLメールにはそれぞれメリットとデメリットがあり、BtoBの場合には残念ながら必ずしもどちらが良いという正解はありません。
メールを送信する業界や業種によっても異なるため、ABテストをしてどちらの方が反応良いかを検証し、自社のマーケティング施策に適した配信方法を探ってみることが非常に重要となります。
メール配信システムによってはHTMLメールをベースとして、受け取れないユーザーのみテキストメールで送るように指定もできますので、少々手間は発生してしまいますが両方とも用意しておくのも一つの手段としておすすめです。
テキストメールとHTMLメールでABテストを行ってみよう
テキストメールとHTMLメールの特徴やBtoBのメールマーケティングについてお伝えしてきましたが、メリットとデメリットを理解した上で、自社に適した方法を見つける必要があります。
メールマーケティングだけに限らないことですが、マーケティングを行う上では一度試してみて効果検証するのではなく、適宜検証を行って改善をすることが効果を出し続ける上で重要になります。
送る内容やタイミングに合わせて使い分けをするなど、テキストメールとHTMLメールどちらが自社にとって効果が出やすいかABテストを行ってみてはいかがでしょうか。