既に日本でも導入が進んでいるマーケティングオートメーションですが、BtoC企業向けのサービスとBtoB企業向けのサービスがあります。
実はマーケティングオートメーションは元々BtoB向けにできたサービスで、SFA(営業支援システム)を効率化するためにマーケティングオートメーションの利用が拡大することとなりました。
多くの企業でも取り入れられているマーケティングオートメーションはBtoB企業で本当に役に立つのかご紹介いたします。
目次
BtoB企業でのマーケティングオートメーションの活用方法とは
BtoB企業で従来行われてきた電話、商談型の営業手法に加えて、近年ではネット情報の充実により、顧客はまずは情報収集を行ってからベンダーにコンタクトするように変化してきました。
リードタイムが長くなることや比較検討も増えてきており、BtoBマーケティングの効率化が強く求められてきています。
そのため、マーケティングオートメーションを利用することでマーケティングの効率化や自動化を行ないたい企業が増えていると言えるでしょう。
マーケティングオートメーションで自動化が実現できるのは、大きく分けて以下の3つのフェーズです。
見込み顧客創出(リードジェネレーション)
見込み顧客とは、サービスに興味があり、導入を検討している顧客を指します。
見込み客を獲得するために、展示会への出展やネット広告、サイトからの問い合わせなどがありますが、マーケティングオートメーションを活用することでサイトコンテンツや広告の最適化を行うことが可能となります。
見込み顧客育成(リードナーチャリング)
獲得した見込み客を育てていく活動の事です。代表的な育成方法としては、メールマーケティングやセミナーなどがあげられます。マーケティングオートメーションの機能の多くは、この育成フェーズが中心に構成されており、シナリオ設計やABテストを行うことで高い効果を発揮することもできます。
見込み顧客選別・送客(リードクオリフィケーション)
購買意欲の高い顧客を選別し、営業部門に引き渡す活動を指します。マーケティングオートメーションでは、この選別活動が俗人的にならないようなスコアリング機能があり、効率よく選別・送客を行うことが可能です。
マーケティングオートメーションを活用することで、見込み顧客の創出から選別までを一貫して行うことができるため、BtoBマーケティングの効率化が見込めます。
BtoB企業でマーケティングオートメーションを利用して役立つ機能
マーケティングオートメーションのサービスによっても機能は異なりますが、各フェーズ別に活用する機能をご紹介いたします。
見込み顧客創出の機能
- ランディングページ作成機能(集客目的の専用ページを構築する機能)
- SEO対策機能(検索エンジン経由の解析機能)
- コンテンツマーケティング機能(サイトコンテンツやブログの解析機能)
- 広告連携機能(リスティング広告やSNS広告などと連携する機能)
- SNS連携機能(主要SNSと連携する機能。)
見込み顧客育成の機能
- メールマーケティング機能(テキストメール、またはHTMLメールの作成・配信を行う機能)
- キャンペーン管理(シナリオにあったキャンペーンプランを設計する機能)
見込み顧客選別、送客の機能
- スコアリング機能(過去の行動や属性などを点数化し、受注確度を可視化する機能)
- 社内プッシュ通知機能(見込み顧客に営業担当を紐づけて特定のアクションがあった際に社内担当者へプッシュ通知を行う機能)
管理機能
- リード管理機能(様々なシーンで獲得した見込み顧客の情報保管・管理機能)
- アクセス解析機能(ウェブサイトのアクセス解析をする機能)
- Web行動解析機能(WEBサイト上で見込み顧客がどのような行動をしたかを可視化する機能)
- SFA、CRM連携機能(営業支援システムのSFAやCRMと連携する機能)
マーケティングオートメーションのサービス毎に得意な機能や不得意な機能もあるため、導入検討する前には確かめておきましょう。
BtoB企業でマーケティングオートメーションを利用する際に気をつけておくこと
マーケティングオートメーションは便利な機能ですが、導入すれば簡単にうまく行くツールでもないため、導入側の体制を整える必要があります。
自社にあったツールを選定
マーケティングオートメーションのツールには、国内外に様々存在します。その中から自社に最適なツールを選定する必要があります。BtoB向け、BtoC向けなどツールによって強みが変わりますので、自社の抱える課題を明確にし、その課題を解決できるツールを検討する必要があります。
社内の体制を整える
マーケティングオートメーションは、様々なソフトウェアとの連携が必要なだけでなく、
自社の課題を洗い出す必要があるためマーケティング全般の知識を持つ人材が必須です。また、運用にもリソースが必要となりますので、ツール選定と合わせて社内体制を整えましょう。難しい場合には外部に運用のコンサルを行ってもらうことも可能ですが、社内で知見を貯めるためにもある程度は自社で行うことをおすすめいたします。
コンテンツ作成は人が行う
顧客をランディングさせるコンテンツの作成までは、今のところマーケティングオートメーションではできません。今後自動でできる可能性もありますが、カラーやブランディングなどを意識して作成を行いましょう。
効果測定を行なって改善をする
マーケティングオートメーションは導入して終わりではなく、導入してからが腕の見せ所です。日々確認するほどではありませんが、シナリオ設計が正しいか、効果の高いコンテンツはどれかといった効果測定を行なって改善を行いましょう。
導入前だけではなく導入してからが本番に
ご紹介した通り、マーケティングオートメーションは、今後の企業活動の可能性を大いに広げるツールです。
しかし、現状を分析・理解せず導入しても十分な効果は期待できませんので、マーケティングオートメーションの導入に必要な知識や体制をしっかり学び、自社の課題を見つけるところから始めましょう。
また、マーケティングオートメーションに限った話ではありませんが、導入前だけ精力的に行うのではなく、導入してからが本番となりますので、しっかりと運用を行いつつ定期的に改善を行うことを心がけて成果を出していきましょう。