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新型コロナウイルスが通販・ECサイトに与える影響とは?

 

日本国内でも新型コロナウイルスの感染が拡大し、企業の営業自粛、国民の外出自粛、テレワークの導入による働き方の変化により、人々の消費行動は数ヶ月間で大きく変わり様々な業界が事業に悪影響を受けています。

 

そんな中、プラスの影響を受けている事業が「ECサイト・通販」の業種です。

 

今回は新型コロナウイルスが通販、ECサイトに与える影響についてご紹介いたします。

 

 

新型コロナウイルスが通販、ECサイトに与える影響とは

新型コロナウイルスがECサイト・通販に与える影響について、「プラス・マイナスの影響を受けているのはどのような業種か」、「なぜECサイト・通販の消費が増えているのか」、「ECサイト・通販の消費から読み取れる顧客の消費行動」を元に見ていきましょう。

 

新型コロナウイルスの影響でECサイト・通販の利用が増えた世代

出典)コロナ影響下の消費行動レポート(三井住友カード株式会社)

 

三井住友カード株式会社の調査によると1〜3月における業種・性別・世代別の決済件数のシェアでは、ECサイト・通販の決済件数が全体的に増加していますが、平常時からECサイトの利用率が高い20代・30代よりも60代・70代の高齢者の方が決済件数の増加幅が大きくなっています。

 

また、ECサイト・通販の増加幅がスーパーよりも大きいことから高齢者が感染リスクを避け、外出を必要としないECサイト・通販を利用する消費行動が推測できます。

 

そのため、今まであまり利用してこなかった高齢層の新規顧客の流入を後押しする形となっています。

 

新型コロナウイルスの影響でECサイト・通販の消費行動

続いて新型コロナウイルスの影響で変化した消費行動の一部を紹介します。

出典:コロナ影響下の消費行動レポート(三井住友カード株式会社)

 

2020年3月には衣服ブランド、紳士服の決済総額が下落していることが上記の表で確認できます。

これは外出自粛やテレワークの導入により対面にて行う営業活動ができない状況にあることから消費が低迷していることが推測できます。

 

出典)2020 年 3 月 決済伸長業種ランキング(世代別)

 

一方、20代・30代の間ではスポーツブランドの消費が増加しています。

家の中で仕事する際に「長時間座って仕事がしやすい服」、「体への負担が少ない服」など機能性を重視した衣服への購買ニーズが生まれていることがわかります。

 

出典:2020 年 4 月 1 日~4 月 14 日 決済金額伸長業種ランキング(世代別)

 

また、4月に入ってからは玩具・娯楽品ジャンルにおいても20~40 代の消費が著しく伸びており、自粛期間の長期化を見据え、余暇を充実した時間にするためにゲーム機器・ゲームサービスなどを購入する動きが見えます。

 

その他、外出ができないペットのおもちゃやペットフードの買い溜め、在宅ワークや在宅の余暇を楽しむための通信環境の整備などの消費が増加しています。

 

プラスに働いている業種とは

 

出典)新型コロナ感染拡大が続く「3月下旬の国内業種別消費動向データ」を公開

 

JCB消費NOWが公開した「3月下旬の国内業種別消費動向データ」によると、新型コロナウイルスの影響で事業にプラスの影響を受けていたのはマクロ視点においてECサイト・通販事業のみで消費が「+4.1%」増加しています。

 

これらは、外出自粛要請やテレワークの導入などの影響で消費行動が大きく変わり、オンラインで決済から配達まで可能であることからECサイト・通販サイトの利用が増えたことが推測できます。

 

また、実店舗経営で業績が悪化している企業はオンラインサービスを活用して事業回復に務めることが最善策といえます。

 

すでに、アパレルブランドショップなどでも実店舗の売り上げ減少に対してECサイトでの売り上げを伸ばしている企業が存在します。

 

例えば、大手アパレルブランドのユナイテッドアローズでは実店舗の売上前年同月比が「2.5%減少」したのに対し、自社で運営しているECサイト・通販の売上は「8%増加」、購入客数「33%増加」となり、ZOZOTOWNを含めたECサイトの総売上は「19%増加」しています。

 

マイナスに働いている業種

ご参考までに上記のJCB消費NOW のデータを見ると、ECサイト・通販以外の業種は軒並みマイナス成長となっており、マクロ視点では自動車小売業「-17.5%」、旅行「-15.0%」、宿泊「-12.9%」、外食「-17.9%」の業種がマイナス10%以上の影響を受けています。

 

自動車小売業

自動車販売において大手自動車会社のトヨタグループは世界販売台数が「23%」減少、トヨタよりもマイナス影響を受けた日産自動車とホンダは世界販売が前年同月比で「40%以上」も落ち込んでいます。

 

旅行

国内の大手旅行会社である近畿日本ツーリストのKNT-CTは業績悪化を見込み、2020年3月期の当期損益を20億円の黒字予想から98億9000万円の赤字へ下方修正しています。また、エイチ・アイ・エス(HIS)も2020年10月期の業績予想を1,250億円下方修正しています。

 

宿泊

東京商工リサーチによれば2020年4月の宿泊事業会社の倒産件数は25件となり、全体の6割を占める倒産理由が新型コロナウイルスの影響によるものです。

 

これらは、国外からのインバウンド、国内旅行需要が大幅に落ち込んだことが原因です。

 

外食

飲食店やレストランなどの外食に関しては、3蜜を避けるための営業自粛やオンライン上での飲み会が開催されるなどの消費行動の影響を受けています。

 

現在、政府によって緊急に融資制度が設けられていますが先行きが見えない状況ですので、今後はさらに多くの店舗が閉業を余儀なくされる可能性があります。

 

遊園地

遊園地ジャンルも「-53.1%」と下落しており、ディズニーランドを運営するオリエンタルランド(OLC)は2020年1~3月期の連結決算は最終損益が「87億円の赤字」であることを発表しており、東日本大震災以来の大きなマイナス影響を受けています。

 

交通

人の移動を支える交通ジャンルは鉄道、バス、タクシー、フェリーなどの利用が全体的に減少し「-13.4%」の落ち込みを見せています。

 

JR四国は2020年3月期決算で「120億円の赤字」であることを発表し、鉄軌道、路線バス、フェリーを提供している両備グループも4月〜9月の期間で前年比16億円の減収になると発表しています。

 

通販・ECサイトの将来性・市場規模

出典)ネットショップ担当者フォーラム

 

野村総合研究所が発表しているITナビゲーターの報告書によるとECサイト・通販サイトは年々増加していくと予想されており、「BtoC EC(消費者向けEC)」の2025年度の市場規模は2019年度の約1.4倍に相当する27兆8000億円に拡大すると予測されています。

 

今回の新型コロナウイルスはEC市場の規模拡大を後押しする要因になると言っても過言ではありません。

 

また、ECサイト・通販に参入する企業が増え、高齢層を中心にECサイトを利用し始める新規顧客が増加することが考えられますので、企業はよりわかりやすいUI設計やカスタマーサポートを充実させるなどの対策が必要です。

 

EC・通販サイトの見直しを行い現状よりもプラスになることを目指そう

新型コロナウイルスの影響により顧客の消費行動は変わりECサイト・通販以外の業種では軒並みマイナスの影響を受けています。

 

今後は、テレワークを導入する企業の増加や新型コロナウイルスの第二波を想定したライフスタイルの変化も出てくる可能性がありますので、まだECサイト・通販を導入していない企業担当者の方は一度ECサイト・通販について検討してみても良いでしょう。

 

また、既に導入している企業でも、今後のECサイト・通販の戦略をしっかりと立てて、自社内における優先順位やシステム投資などを積極的に行ってみることをお勧めいたします。
 

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カテゴリー: マーケティング