大手企業はもちろん、最近では中小〜中堅企業でも活用が広がってきているマーケティングオートメーション (MA)。既に導入している企業もあれば、これから取り組んでみようと考えている方もいるのではないでしょうか。
実際に マーケティングオートメーション を使って効果が出始めている場合もあれば、残念ながら当初思ったよりもうまく行かないというケースもあるかもしれません。
そこで、なるべくうまく活用できるためにも マーケティングオートメーション 導入にあたって良くある 間違い や 失敗 例についてご紹介させて頂きます。
目次
マーケティングオートメーション導入にあたって一番多い間違いとは
マーケティングオートメーション導入にあたって一番多い間違いは、「目的をはっきりしないまま導入をしてしまい、想定していた効果を出せなかった」ということが挙げられます。
あなたはマーケティングオートメーションと聞いてどんなことを思い浮かべますか?
例えば「自動化できる」、「マーケティングの効率が上がる」、「省人化できる」など、いくつかのキーワードが思いつくでしょう。
マーケティングオートメーションはサービスの概念が比較的広いこともあり、「何となく色々できそうで導入すると便利そうだ」と思われている方も少なくありません。
提供サービスの種類にもよりますが、上記の考え方は概ね正しいです。
そのため、機能が豊富であらゆる施策が実現できそうなサービスを導入する企業も多いのですが、その前にやっておいた方が良いことがあります。
それは「業務プロセスの棚卸」と「マーケティングオートメーションを利用して何をしたいか」という目的をしっかり決めることです。
自社のお客様になっていただくまでのプロセスと既存のお客様のLTVを上げていくためにどのようなことを行なっている、もしくは今後行いたいかを業務ごとに整理をすることから始めましょう。
その上で行いたい分析や施策があり、色々なサービスや方法がある中でマーケティングオートメーションが良さそうだとなってから検討を始めるのがオススメです。
マーケティングオートメーションが適していない会社があるとは言えませんが、わざわざ導入しなくても行うことができる場合や、他の施策を優先的に行った方が良い場合もあります。
マーケティングオートメーションに限らず、サービスやツールを使う前に「なぜ使うのか」と「何を目的とするのか」の2点を明確にすることで、当初の想定と違っていたということを回避する確率が大幅に上がりますので、ぜひ行っておきましょう。
マーケティングオートメーションで何でもできると思ってしまった
マーケティングオートメーションを導入することで業務効率やマーケティング効果が高まることを期待するかと思います。
中には手間もかからずに完全自動化することができて、抜群の効果を期待している魔法のツールのように考えられているケースも見受けられました。
ですが、残念ながらある一定の部分は自動化することができるものの、効果を高めていくためには設計をしっかりと考える必要性があるのと、運用を行って改善をしていくことが必要です。
中にはMAツールでマーケティングを行うために専属が5名、WEBコンテンツやメールを作成する担当が10名ついて運用をして、大きな効果を出している企業もあります。
マーケティングオートメーションで行いたい施策を自分達でしっかりと考えて、効率化できる部分とできない部分を予め整理しておくことも重要でしょう。
多機能すぎて使いこなせないため高額なメール配信サービスになっている
マーケティングオートメーションには顧客管理、セグメンテーション、分析、メール配信、他システム連携など様々な機能が含まれているサービスがあります。
これらをうまく活用するためには事前にシナリオ設計をした上で施策を考える必要性がありますが、リソースを割くことができなかったりサービスが難解で使いこなせなかったりしてしまうことも失敗例として多いです。
その結果として、残念ながら結局メール配信機能しか使えていないといったケースも多く、高いコストをかけてツールを導入した割には費用対効果が合わずに「マーケティングオートメーションは使えない」といったことになりがちです。
マーケティングオートメーションでは、購買を検討している段階や潜在ニーズに対して、一人一人に最適なタイミングで適切なコンテンツを提供する必要があります。
自社が行いたい施策を考えて、不要な機能がたくさんあって高額なサービスを選ぶよりも、シンプルでも自分達が十分使いこなせるサービスを選定してみるのも一つの手です。
その上で足りない機能やもう少し違う施策も行いたいとなった段階で、多機能サービスに切り替えをするのも良いでしょう。
サイト規模や見込み顧客が小さくて費用対効果が見合わなかった
マーケティングオートメーションは基本的には見込み客や既存顧客などの獲得した会員情報を元に、リードジェネレーションを行っていくことが得意なサービスです。
そのため、サイトの規模が小さい場合や見込み顧客が少ない場合には、効率化はできるものの売上に対するボリュームが小さくて費用対効果が見合わないケースも出てきます。
このような場合には、マーケティング費用を新規顧客獲得のため広告などリードジェネレーションに使った方が費用対効果として出ることが期待できます。
例えばECサイトの場合ですと、月商で数千万円程度の規模がないとマーケティングオートメーションの利用による効果が期待できないことが多いです。
効果を高めるために施策を行いすぎて逆効果になってしまった
マーケティングオートメーションを導入してから新しい施策を行うことで売り上げに対するインパクトが出始めてくると、さらに違う施策も行なってみたくなるのではないでしょうか。
例えば配信のタイミングを増やしてみたり、違う施策も織り交ぜてみたり、配信チャネルを増やしてみたりと顧客に接する頻度を高めることで効果を高めていくわけです。
実際に同じ施策を何回か行うことや複数の施策を組み合わせることで売り上げに対するインパクトが大きくなることは珍しいことではありません。
マーケティングオートメーションでシナリオ設計しておけば、さほど労力を増やさなくても売り上げが上がるとなればドンドン増やしたくなるのではないでしょうか。
ところが、フリークエンシーを高めすぎてしまうと「しつこい」、「煩わしい」と逆効果になってしまうことが目立ち、配信解除や場合によっては会員ではなくなってしまうことも考えられます。
業界や顧客属性によっても異なりますが、施策は少しずつ増やしていくこととフリークエンシー設定を行い、過度のコミュニケーションは控えるようにしましょう。
コンテンツのノウハウがなく効果がどんどん薄くなってしまった
マーケティングオートメーションで施策を行うことで効果は出ているものの、当初と比べて徐々に反応率が悪くなる場合があります。
これは様々な要因が考えられますが、会員の方に飽きられ始めてしまったことが一つの要員として挙げられるのではないでしょうか。
解決策としては、
・一斉配信ではなくone to oneの属性に合わせたコンテンツを送る
・配信タイミングを変えてみる
・テキスト、HTMLなどクリエイティブを変えてみる
・違う施策と組み合わせてみる
・思い切ってやめてみる
などが考えられます。
できれば運用をしていく中でABテストを行い、反応率を見ながら改善していくことが望ましいでしょう。
自社で行うのが難しい場合には、一部を外注したり一時的にコンサルを受けてみるのも解決策の一つとして良いかもしれません。
自社に合ったサービスを選ぼう!
マーケティングオートメーションを活用すれば、売上を増やすことや省人化してコストを下げることも可能な便利なサービスです。
マーケティングオートメーションにはBtoBに強みがあるサービス、BtoCに強みがあるサービス、分析に強みがあるサービス、コミュニケーションに強みがあるサービスなど特徴がありますので、自社の業界や業務内容に合ったサービスを選定することが非常に重要となります。
そのためには今回ご紹介したような良くある間違いや失敗例からヒントを得て、うまく活用できれば幸いです。
実際に運用をする際には「導入の目的」の他にも各種KPIの設定も行ない、効果が出ているのかどうかをウォッチしながら定量分析をしっかりと行なっていきましょう。