最近ではBtoB、BtoC企業に関わらず利用が増えているマーケティングオートメーション。マーケティングオートメーションをより深く理解するために、今までのマーケティングオートメーションの歴史について振り返ってみることで、潮流から学ぶこともあるのではないでしょうか。
マーケティングオートメーションの歴史と、日本での市場や今後の普及予想についてご紹介いたします。
マーケティングオートメーションの歴史とは
マーケティングオートメーションの歴史は1992年にアメリカのUnicaが最初だと言われております。
Unicaは現在ではIBMの傘下に入っています。
参考:IBMサイト UnicaソフトウェアはIBMが提供します
http://www01.ibm.com/software/jp/info/unica/
当時はまだインターネットの普及率が低く、アメリカでもマーケティングオートメーションの利用が急拡大することにはなりませんでした。
その後マーケティングオートメーションが再注目されたのは、1999年Eloquaのサービスからです。EloquaはSFAが登場したことによって顧客管理については徐々に効率化され始めてきたものの、SFAでは自ら案件を創出できないことに着目し、マーケティングに必要な機能をパッケージにしてサービスの提供を開始しました。あらかじめSFAとの連携を視野に入れて開発をしていたようです。
これにより、Pardot(現在はSalesforce傘下)やMarketoなどの競合他社もマーケティングオートメーションツールを開発販売し、マーケティングオートメーション市場が拡大していくこととなります。
Eloquaは2012年に買収されて以来、現在ではOracleの傘下に入っています。
参考:Oracle Eloqua Drive Dynamic Journeys
https://www.oracle.com/marketingcloud/products/marketing-automation/index.html
その後はインターネット普及とネット回線高速化、インフラ費用低下もあり、クラウドでのマーケティングオートメーションツールが増加していきました。
EC市場の拡大、それに伴うECサイトの競争激化、SNS普及対応に伴い、近年ではマーケティングオートメーション市場の拡大期となったのです。
マーケティングオートメーションの日本での歴史と市場規模とは
日本でのマーケティングオートメーションは2014年頃より徐々に広まり始めております。当初は上記でもご紹介した外資系サービスが広まり、その後日本企業でも提供する会社が増えてきたことで活況な市場となりました。
Googleトレンドで2006年から2017年4月12日までを対象として「マーケティングオートメーション」で検索してみたところ、ここ数年で話題性が上がっていることが見て取れるでしょう。
参考:Googleトレンド 「マーケティングオートメーション」で検索
上記のように外資系企業や日本企業が新しいサービスとしてゼロベースで作成されたマーケティングオートメーションのツールもあり、うまく活用すれば大きな効果を得られる可能性が高い反面、使いこなすのが難しいことと比較的コストが高めな場合もあります。
さらにメール配信システム、キャンペーンマネジメントシステム、アクセス解析システムなどのシステムベンダーが元々提供していた自社サービスをマーケティングオートメーションに拡張させて参入したことも特徴として挙げられるでしょう。
日本でもマーケティングオートメーションの市場規模は年々拡大していると言われております。
矢野経済研究所の調査によると、国内でのマーケティングオートメーションの市場規模(事業者売上高ベース)は2014年で168億円、2015年は220億円の見込み。
2020年には420億円に到達すると試算されており、市場成長がしていることがわかります。
参考:矢野経済研究所 DMPサービス市場/MAサービス市場に関する調査結果 2015
https://www.yano.co.jp/press/press.php/001481
認知度の向上に伴って今後も市場規模の拡大が続くことが読み取れるのではないでしょうか。
今後のマーケティングオートメーションの動向とは
マーケティングオートメーションは日本でも認知度が高まっており、導入企業と提供企業の数も増えております。今後はさらにサービスごとの特徴が明確化され、顧客業界に合わせた専門ツールや部分的な特化機能型ツールの登場の可能性も高そうです。
また、データをためることでAIを利用した最適なコンテンツを最適なタイミングで実行できるサービスもまもなく登場してくるのではないでしょうか。既にレコメンド系のサービスでは、自分の過去購入した商品や閲覧履歴に加えて、属性が似ているユーザーデータの組み合わせから自分に合った商品をオススメする機能があります。さらに嗜好性に加えて消耗品であれば、自動的に定期的なレコメンドをするサービスも見受けられるはずです。
ただし、マーケティングオートメーションを導入したからといって、全ての作業を魔法のように自動化してくれるわけではありません。
自社に合ったシナリオ設計をして、自動化や省人化出来るところを先に洗い出し、効果測定とPDCAの管理をしっかりと行うことでさらに高い効果が期待できるでしょう。