マーケティングオートメーション(以下、MA)導入において、導入後の目的だけでなく担当者が具体的な実施イメージを持っているかどうか。これはMA導入成功において欠かせない条件と言えます。
自社の業種や利用範囲に合ったMA導入のメリットおよび施策例を事前に理解しておくと、MA導入後の成功イメージを描きやすくなります。
本記事では、ホテル業界のWebサイトへMAを導入する状況を想定した施策イメージを紹介します。
目次
ホテル業界のデジタルコミュニケーションにおいてMAが「効く」領域はどこか
ホテル予約の一連のカスタマージャーニーマップを整理した図が以下となります。
ジャーニーの中で特に注視するKPIを検討度・CV離脱率・キャンセル率・リピート率の4つとし、それぞれの指標を改善するためにMAを活用する方法を考えます。
顧客一人ひとりのデータを把握・分析し施策の自動化を実行できるのがMAの強みなので、
- 新規顧客の獲得
- 既存顧客とのコミュニケーション
上記の視点で整理するとMAで成果を上げるための施策を講じやすいと言えます。
新規顧客獲得プロセスにおける施策イメージ
顧客を知り個別の施策を打つ
顧客分析
MAを利用すると、予約をしたタイミングでそれまで「誰か」特定できなかった非会員新規顧客としてのログと突合し、初回予約に至るまでの様々な「個客データ」を保持・分析することができます。
これによって、これまで見えていなかった顧客の行動が見える化されます。
数千人単位の「個客データ」を目視で分析することは現実的に困難ですが、機械学習のモデルを利用することで、誰が予約をした/していないというデータ群から宿泊予約に至る重要因子を抽出することが可能になります。
その分析結果を正しく評価し、狙い目とすべきペルソナ像を導きだすことができれば次ステップでの施策に活かすことができます。
抽出した因子情報は他Web接客ツールなどでもターゲットセグメント条件として発展的な活用が考えられます。
パーソナライズ
「個客データ分析」によって抽出した重要因子を持つ顧客が来訪した時に、その顧客が求めるコンテンツを自動的にパーソナライズ表示することで、新規顧客の検討行動を促進しWebサイト上での予約行動を後押しします。
その他にも、チャットツールとMAを連携することで、顧客のリアクションから検討意向の高い顧客を特定しフォローアップする施策も実施すべきでしょう。
予約フローリカバリー
ECサイトでのカートリカバリー(カゴ落ち)と呼ばれる施策と同様に、宿泊予約フローでも同様の施策が効果的です。
フロー途中で離脱してしまった顧客に対して、予約が完了していないことのリマインドだけではなく、再度検討プロセスへと心理状態を復帰させるべくポイント情報などをリカバリーメールに自動付与することで一定数の顧客を宿泊行動へ復活させます。
リピート顧客獲得のための施策イメージ
期待値UPシナリオコンテンツ配信
MAの主要機能ともいえるシナリオメールで、予約から当日までのキャンセル率を低減させるための期待値UPコンテンツを配信します。
宿泊施設の内容だけでなく、その周辺情報なども期待値UPコンテンツとして配信することで宿泊当日までの期待感、高揚感を高めましょう。
宿泊に至る一連のUX品質を高めることで、宿泊後の満足度向上にも貢献することを目指します。
パーソナライズDM
前回の宿泊利用から一定期間経過した顧客とのコミュニケーションも、リピート率を高めるうえで非常に重要な施策です。
リピート顧客の場合、接点が少ない状況でのメール配信ではどうしても見過ごされがちです。それよりも紙媒体であるDMの方が閲覧割合は高いのですが、同じ内容を一斉に配送するDMでは顧客にとって自分ゴト化された情報にならず、期待する程の効果が得られません。
しかし、最近のMAツールはメールやLINEだけでなくDM配送も可能となっています。
人手では難しい顧客ごとに合わせたパーソナライズDM配送も、MAを利用することで可能となりより高い費用対効果を得ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
何から手を付ければいいのか分からない場合は、仮説となるカスタマージャーニーマップを作成しそのジャーニー上での重要指標を整理しペインポイントとなりえる部分を把握しましょう。
そうすれば、仮説の正しさを立証するための施策を打つことができ、その結果を分析し次の施策へとつなげることが可能となります。
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