ECサイトが行うマーケティング施策として高い効果が期待できるのがリテンションマーケティングです。
今回はリテンションマーケティングを行い既存顧客からの売り上げを増やす方法とはについてご紹介いたします。
目次
リテンションマーケティングとは
リテンションマーケティングとは、既存顧客の満足度を高め、既存顧客の離脱を防ぎ、既存顧客の売上を増やす目的で実施するマーケティングです。
企業がリテンションマーケティングに取り組む最大のメリットは、費用対効果の高さです。
新規顧客から100万円を売り上げても、既存顧客から新たに100万円を売り上げても、企業の売上への貢献度は同じです。
新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるといわれており、「1:5の法則」とも呼ばれています。
多くの企業の場合、新規顧客の獲得に注力をする傾向にありますが、既存顧客の維持と育成に目を向ける方が効率的なマーケティング施策になると言えるでしょう。
リテンションマーケティングの効果とは
リテンションマーケティングが成功すると既存顧客が自社のファンになってくれる可能性が高くなります。
そのためリテンションマーケティングは、既存顧客のロイヤリティ(忠誠心)を高められるように構築すると効果的です。
ロイヤリティが高い顧客が増えると、企業や商品のブランド力が高まります。
ブランド力が高まることで、
- 価格競争に巻き込まれにくくなる
- 安定した売上を確保できる
- 企業イメージや商品イメージが向上する
- クチコミが広がる
- 新規顧客の獲得が進見やすくなる
といったメリットを享受できるようになります。
このような効果を得るには、リテンションマーケティングを戦略的に進める必要があります。
リテンションマーケティングの対象顧客とは
企業にとって顧客は大きく次のフェーズにわかれ、各フェーズによってマーケティング手法は変わってきます。
第1フェーズ:潜在顧客~見込み客
第2フェーズ:購入検討顧客~新規顧客
第3フェーズ:既存顧客
第1フェーズ(潜在顧客~見込み客)では認知度アップや商品のインパクトを重視したマーケティングが効果的です。
第2フェーズ(購入検討顧客~新規顧客)では「買いたい」、「買おう」と思わせる購買刺激策を打ち出します。
リテンションマーケティングは、第3フェーズ(既存顧客)に向けて実施することです。
新規顧客は商品やサービスを購入した後に次のいずれかのパターンに分類されます。
A:とても満足した、また買いたい
B:満足したが、別の商品・サービスも試したい
C:期待外れだった、もう買わない
基本的にはリテンションマーケティングで効果が出るのはAとBに分類された顧客となります。
Aの顧客は最も効果が高くなることが期待出来ますので、リテンションマーケティングを行っていない場合にはまずはAから行った方が良いでしょう。
その際にCRMシステムやマーケティングオートメーションを活用することで、顧客分析や施策の検証が可能となり、顧客一人あたりのLTV向上を期待することもできます。
リテンションマーケティングでどのように既存顧客売上を増やすか
リテンションマーケティングで既存顧客売上を増やすためのポイントについて見ていきましょう。
既存顧客に関するデータの収集・分析
リテンションマーケティングを効果的に実施するには事前準備が必要です。
既に既存顧客が多数いる場合にはCRMやマーケティングオートメーション(MA)のツールを導入すると便利です。
例えば弊社が提供しているマーケティングオートメーションツールのxross dataでは顧客ポートフォリオ分析を見える化する機能が人気です。
縦軸が1顧客あたりの平均売上金額、横軸が顧客(初回購入)になってからの平均滞在期間をマトリクスにしたバブルチャートで表現します。
自社顧客の健康状態が一目で分かるため、マーケティング施策が打ちやすくなるでしょう。
セグメントごとにアプローチやキャンペーンを変える
既存顧客といっても、たまにしかリピートしない顧客や、頻繁に再購入する客、キャンペーンなどで刺激すると反応する客など様々な種類にわけることができます。
リテンションマーケティングの内容はセグメントごとに変えた方が、より効果的に売上を増やすことができます。
例えばセールに反応しやすいセグメントに関してはセールのお知らせを積極的に送ったり、顧客の期間が長いセグメントに関しては特別感を与えるキャンペーンなどを行うことが効果的かもしれません。
また、ポイントシステムやクーポンを取り入れている場合には、期限が切れる少し前にお知らせをすることで売上の増加も見込めます。
リテンションマーケティングを手間なく行う
新規顧客獲得に比べると費用対効果が高いと言われているリテンションマーケティングですが、そのためにはなるべく手間をかけないで効率的に行うことが重要です。
顧客分析やセグメントごとのアプローチに時間をかけてしまうと、その分費用が増加してしまいます。
例えばマーケティングオートメーションツールを利用して施策を設定しておけば顧客分析を行い、対象顧客に合わせたプロモーションをone to oneで自動で行うことが可能になるため担当者の手間を省くことが可能です。
新規顧客獲得だけではなくリテンションマーケティングも行おう
新規顧客がどんどん増えて売上も安定して増えていると既存顧客やリテンションマーケティングをおろそかにしがちです。
ロイヤリティが高まった既存顧客には企業側が少しくらいマーケティングを「サボっても」購入し続けてくれることも多いからです。
しかし、既存顧客を放っておくとロイヤリティの低下や不満を溜めていくことにも繋がりかねません。
新規顧客獲得に注力するのはもちろん重要な施策であることは間違いありませんが、合わせてリテンションマーケティングを行うこと、既に行っている場合には定期的な見直しを行ってさらに費用対効果を高いものにしていきましょう。