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マーケティングオートメーション(MA)導入時に意識すべきKPI設計とは:BtoB編

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前回の記事日本におけるマーケティングオートメーション市場の最新動向について解説では、日本国内のマーケティングオートメーション(以下、MA)の市場規模は依然拡大傾向にある点について紹介しました。

今回は、BtoB企業がMA導入時において気を付けるべきKPI設計のポイントを解説します。

 

MA導入の多くが失敗に陥りやすい理由

 

MAはもはや一部の企業が利用する「特別なツール」ではなく、すべての企業がビジネス成果を高め業務効率化を図るうえで「使いこなすべきツール」へと変わりつつあると言えます。

BtoB企業において、MA導入の目的をシンプルに考えると

  • 良質な商談を増やす
  • 業務効率改善

の2つが主なゴールとなります。

しかし、この言葉だけを頼りにMAを運用しても失敗する可能性が高いです。
その理由は、成果の定義や検証プロセスが曖昧なため、MAを導入したことが成果に結びついたのかどうか正しく評価できないからです。

実際、いざ現場へMAを導入してもその効果を実感できていないという声をよく聞きます。
その原因として以下のような点が挙げられます。

  • ツールを十分に使いこなせない
  • 知識を持った人手が不足していていなかなか施策を打てない
  • MA導入の成果目標や効果が曖昧となっている

3つ目の目標や効果が曖昧であるという声が挙がってしまう原因として、MA導入時にKGIおよびKPIの設計が不十分という場合がほとんどです。

以下よりMA導入時に注意すべきKPI設計のポイントを紹介します。

 

 

KGI、KPIとは

 

まず、簡単にKGIとKPIの違いについておさらいしてみましょう。

KGI(Key Goal Indicator)とは、ビジネスの最終目標を定量的に評価できる指標です。 日本語に訳すと重要目標達成指標となります。

KPI(Key Performance Indicator)とは、KGIを達成するための重要業績評価指標です。何が成功要因として機能しているのか、業績貢献活動を正しく評価するための指標群と言えます。

 

 

KGI、KPIが無いMA運用は何がダメなのか

 

KPIを定義しなくても、結果として業績が上がれば問題ないという考えもありますが、中長期的な視点で見るとそのような考え方では最終的に行き詰まり、失敗するケースが多いようです。

その理由として優れた業績貢献活動の条件の1つに「成功の再現性」が含まれている点が挙げられるます。

「成功の再現性」とは言葉の通り、一定の成果を繰り返し生み出すための仕組みのことです。前回ははうまくいったが、今回はなぜかうまくいかない、というように再現性が低いと計画的・継続的にビジネス成果を出しつ続けることはできません。

言い換えると、KGI、KPIが設計されていない状況は自らのマーケティング活動を正しく評価できないと言えます。アクション後の結果要因を分析ができていないため何が功を奏しているのか当事者が理解できていないことが再現性を実現できない最大の問題点です。

あらゆる施策をKGIとKPIに正しく分解しておけば、どの要因が効果を発揮したのか一目瞭然となるとともに関係者とも情報共有しやすくなります。特にBtoB企業では自らのビジネスプロセスを正しく可視化する上でも、MAを導入する際には何をもって評価するのか必ず事前に定義しましょう。

 

 

KPIツリーをつくる

 

KGI、KPIを定義するには、KGIを頂点とするKPIツリーを作るのが一般的です。

KPIツリーは基本的にKGIに対して複数のKPIが紐づくツリー型構造となります。もちろん正解は1つではなく、事業環境やチームメンバーと話し合いながら何度も作り直して最適化を図る必要があります。

とはいえ何も考えずにKPIツリーを作ってしまうと、最適化までの時間が掛かりすぎるので、いくつかKPIを定義するうえでのポイントを押さえておきましょう。

 

 

KPIを作るときのポイント

 

KGIに直結しているか

当たり前のことですが、意外と見落としがちなポイントです。
特に何層ものKPIツリーを作っていくと上階層のKPIと下階層のKPIで整合性が取れなくなることがあります。これを防ぐには、論理構造を確認する手法を用いてWhy so?(なぜそう言えるのか)、So what?(だからなに?)の関係がきちんと成立していることを確認することで判断できます。

 

 

改善効果が見込めるか

いくら論理的に正しいKPIツリーを作成しても、そのKPIGがKGIにほとんど貢献しないと評価指標として適正とは言えません。小さな改善で大きな成果を生む指標が望ましいですが、簡単にそのような指標が見つかることは稀です。前述した通り、KPIを何度も作り直しながら適正化を図る必要があります。

 

 

KPIは掛け算で作る

KPIを要因分解する中でKPIツリーは多層構造を取る場合が多く、1つのKPIを複数に分けることもあります。この時、十分に整合性を取るのであれば量×率で分解するのがシンプルな考え方です。

親KPI = 子KPI(量)×子KPI(率)

例えば、
売上 = 客数 × 客単価 もしくは  市場規模 × 市場シェア

など、切り口を変えてKPIツリーを作成した場合でも、論理的矛盾を発生させづらいメリットがあります。

 

 

BtoB企業で考えるMA導入時のKPIツリー

 

まずは自社企業のビジネスプロセスを可視化しましょう。今回は例として一般的なBtoB企業のファネル構造で考えてみます。

 

KPIツリー

KPIツリー

 

 

BtoB企業のマーケティングファネル

BtoB企業のマーケティングファネル

 

 

上記のファネルの中でMAが担う領域は新規リード獲得を目的とする認知・情報収集から具体的なサービス導入・購入を検討するHOTリードを抽出するまでのステージとなります。

しかし、HOTリード抽出をKGIとしてしまうとその先のプロセスが終えず、ビジネス成果への貢献度が評価できなくなるため、受注数をKGIとしてKPIツリーを作成してみます。

 

 

MA導入時のKPIツリー設計例

MA導入時のKPIツリー設計例

 

 

上図を解説すると、今回は受注数をステージごとのリード数で構成する設計を採用しました。

まず「商談数」×「受注率」で分解し、商談数を「HOTリード」×「商談化率」と分解しました。この領域は主に営業部門が担うKPIなので、その先をMAが担う領域としています。

 

 

 

HOTリード数 = MQL数 × HOTリード転換率

 

ここで言うHOTリードとは営業部門が直接アプローチすべきリードとして定義しています。MQLはMarketing Qualified Leadの略でありマーケティング部門がナーチャリング対象としてコミュニケーションを行うリードです。MQL数にHOTリード転換率をかけてHOTリード数が算出されます。

MQLはさらに下のKPIに分解できるので、この階層ではHOTリードへの転換率を構成するKPIがMAで注力すべき指標といえます。
HOTリード転換率は、言い換えれば「どのような条件のリードをHOTリードとして抽出するか」です。ここでは、獲得スコアの閾値を超えたリードや事前にBANT情報を獲得しておりターゲットセグメントと合致するリード、短期間で集中的にWebサイトへ来訪しているリードなどを挙げていますが、これはほんの一例であり企業によって変わります。

 

 

MQL数 = 新規リード数 × MQLリード転換率

 

HOTリードと同様にMQL数は新規リード数とMQLリード転換率をかけて算出します。

新規リードには、当然見込みのうすい顧客も多分に含まれている可能性があります。新規リード = HOTリードとして見込んでしまうと、成約までのリードタイムが長期化したり成約率が著しく低くなる恐れがあるため、MQLとしてリードの精度を絞りこむ必要があります。

ここでは、自社の製品やサービスに一定の興味度を持っているかどうか、という視点で直帰をしていないリード、メールやSMSなどの施策に反応したリード、ターゲット企業に所属するリードなどをMQLとして転換するための条件として設計しています。

 

 

さいごに

 

いかがでしたでしょうか。

トライベックではBtoB企業様へMAを利用したKPI設計を提供しています。本記事を見て興味を持たれた方はお気軽にお問合せください。

 

サービスへの問い合わせ

 

次回はBtoC向けにマーケティングオートメーション(MA)導入時に意識すべきKPI設計をご紹介します。

カテゴリー: KPI, マーケティング, マーケティングオートメーション