BtoBや不動産、自動車といった高額商材を取り扱うBtoC業界で利用されることが多い MA ( マーケティングオートメーション ) を利用したスコアリング。
MAといえばスコアリング管理をメインとして利用している会社もあるほど重要な機能の一つとなっています。
今回はMAにおけるスコアリングのコツについてご紹介させていただきます。
目次
MAでのスコアリングとは
MAでのスコアリングとは、見込み顧客(一部既存顧客含む場合もあり)の中から、リードナーチャリング(顧客育成)を通じて確度の高い顧客を絞り込んで行くために点数化を行うことを表します。
MAツールによっても呼び方は異なる場合もありますが、「アクションログ(web上での行動履歴)」と「プロファイル(顧客属性)」の2つを用いて点数付けを行うことが多いです。
ある一定のポイントに達した見込み顧客に対しては営業担当者を設定してアプローチを行い、優先的に営業リソースを割り当てて顧客化を行うことで営業の生産性を上げる手法として利用が行われています。
スコアリングの設計方法
MAを利用する際に一番はじめにやっておいた方が良いことがスコアリングを行う際の設計です。
スコアリングの設計を行うには自社のマーケティング活動と営業活動の一連の流れを整理しておく必要があります。
その中で契約に至る可能性が高い道筋や顧客属性を洗い出しておきましょう。
可能性が高い行動や属性には優先的に営業リソースを当てられるように設計しておくことが重要となります。
スコアリングの設定方法
実際にスコアリングの設定方法はどのように行うのでしょうか。MAツールの中には予めスコアリングの設定がされている場合が多く、デフォルト設定のまま利用しても構いません。
一般的な設定方法としては、
- 初期設定の確認を行い、リードスコアリングをはじめてみる
- 過不足があれば設定の変更をする
- 運用をしていく中で調整をする
が挙げられます。
アクションログに関するスコアリング
アクションログに関するスコアリングとは、見込み顧客のweb上でのアクションを元にポイントの増減を行うことです。
スコアリングポイントの加点を行うアクションの例だと、
- メール開封
- 詳細ページ訪問
- 資料請求
- 広告クリック
といったものがあります。
逆にスコアリングポイントの減点を行うアクションの例だと、
- メール未開封
- サイトから直帰
- 30日以上未訪問
といったものがあります。
業界や業種によっても異なりますが、概ね共通している項目ですので是非設定を行いましょう。
プロファイルに関するスコアリング
プロファイルに関するスコアリングとは、顧客属性を元にしてポイントを割り振ることです。
プロファイルのスコアリングのコツとしては、
- 自社にとって優良顧客になる確率が高いプロファイル(業界や業種など)にポイントを高く設定
- BtoBの場合には自社の近隣エリアにはポイントを高く設定
- 企業規模に応じてポイントを設定
- 部署がカウンターパートとして良い場合には高くポイントを設定
といったことが挙げられます。
アクションログとの違いとしてはプロファイルは一度スコアリングされると属性が変わらない限り、ほぼ固定のポイントとなるために初回のみのスコアリング評価となります。
スコアリングする期間
スコアリングを行なっていく上で期間について考える必要があります。
商品やサービスのリードタイムの長さにもよりますが、一定期間サイト訪問やアクションログで加点がされない顧客については離脱とみなして減点するか一度スコアを0に戻してしまいましょう。
複数サービスをスコアリングする場合
複数サービスを展開しておりMAの導入を行なっている企業が多いですが、サービスのターゲットが異なってしまうとプロファイルのポイントなどが異なるため、一つのスコアリングモデルでは対応できない場合が多いです。
また、クロスドメイン対応しているかどうかはMAのサービスによって異なり、費用も合算か別アカウントとして契約を行わないかいけないか予め確認しておきましょう。
スコアリングを行う際の注意点
最後にMAでスコアリングを行う際に注意しておくべきことをご紹介させていただきます。
スコアリングの設定を複雑にしすぎない
MAを導入したての頃は設定を複雑にしすぎない方がおすすめです。
設定や分岐が複雑な場合、管理が大変になるのと効果測定を行う際に変数が多くなってしまうため、最初の段階ではなるべくシンプルにしておき徐々に設定項目を増やしていきましょう。
スコアリングされた結果を注視する
実際にMAを入れて設定が終わるとポイントが付与され始めます。
あまりにもポイントの付与が少なければポイントの増加する項目を増やして効果測定をしやすくすることがおすすめです。
営業からの声を聞く
スコアリングを行なって一定のポイントやステージに移行した際に営業へ引き渡しを行います。
その際に「引き渡したタイミングはどうだったか」、「見込み顧客の質はどうだったか」、「実際に契約に繋がったか」といったことを確認して効果が出ているのか確認をしましょう。
チューニングを行なっていく
スコアリングは業種、企業によってマーケティング や営業方法が異なるために全く同じというパターンがありません。
スコアリングの精度を高めて効率化していくためには、実際に見込み顧客からどれだけ売上が上がったのか、契約率などのKPIはどうだったかを確認してチューニングしていくことが求められます。
最初の設計に力を費やして運用がおざなりにならないように、最初から頑張りすぎずに徐々に効果を見て計測しながら改善していくのが上手くスコアリングを使いこなす手法の一つと言えるでしょう。