携帯電話の番号に対して送ることのできるSMS(ショート メッセージ サービス)。頻度としては多くはないものの、たまに受信することがある方も多いでしょう。
SMS自体は昔からありますが、実は最近市場が成長中であることはご存知でしょうか。
SMSとマーケティングオートメーションを連動させたサービスなども出てきており、根強い需要があるサービスとも言えます。
本記事ではSMSの市場規模とマーケティングオートメーションと組み合わせた活用方法についてご紹介させていただきます。
SMSとは
SMSとは携帯電話番号に対するメッセージサービスのことで、SMS配信事業を行なっている会社のプラットフォームを利用して送ることが多くなっています。
メール配信と似ている部分もあるのですが、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクといった各キャリアの仕様に合わせて、サーバからメッセージの一斉送信も可能なサービスです。
個人間でのSMSはP2P(Person to Person)-SMSと呼ばれており、法人から個人に送るSMSのことはA2P(Aplication to Person)-SMSと呼ばれています。
メールアドレスがわからなくても、電話番号がわかればメッセージを送れる事から古くより使われてきたサービスです。
携帯電話会社や配信数によっても異なるものの、1通あたり数円から数十円程度の費用がかかることが一般的な金額となっております。
SMSの日本国内における市場動向
日本でSMSが始まったのは、1996年4月にPHSからで旧DDIセルラーが行いました。翌年の1997年6月には携帯電話でもドコモmovaにてSMSがスタート。かれこれ20年以上の歴史があるサービスであることがわかります。
元々は同じ携帯会社同士でないと送れませんでしたが、2011年より3大キャリア同士でSMSのやり取りが可能になりました。
SMSの日本国内における市場動向について、ミック経済研究所では以下のようなグラフの調査結果を発表しています。
画像引用:日本経済新聞 ミック経済研究所、「爆発的な拡大が予測されるA2P-SMS市場」を発表 関連資料
調査内容
- 調査は法人から個人に送るA2P-SMSを対象。
- NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクと直接接続をしている直収分の配信数を対象。
- 日本から国内キャリアを通して海外に送信する分は調査対象。
A2P-SMSの配信数は拡大しており、今後もビジネス向け通信インフラとして定着する予想が出ています。2017年度の配信数は4億670万通、法人顧客数は4,540と予想。2021年には配信数が6倍超の26億8,800万通、顧客数が4倍超の20,680法人まで増えるようです。
参考:日本経済新聞 ミック経済研究所、「爆発的な拡大が予測されるA2P-SMS市場」を発表
SMSの利用用途と特徴
今後成長が予想されているSMSですが、どのような利用用途が多いのでしょうか。利用用途としては、新しいサービスやSNSの利用時など本人認証通知、督促の通知などが挙げられます。
また、最近では格安スマホが徐々に広まっており、キャリアアドレスを持たないユーザーが増えている事から、SMSの利用を検討されている企業も多いのでは無いでしょうか。
メールと比べると到達率が高いことも特徴として挙げられるでしょう。郵便料金や電話をかける料金と比べるとコストメリットもあります。
ただし、メール配信と比べると文字数に制限があること、絵文字が使えない端末があること、単価が比較的高くなるといったデメリットも挙げられるでしょう。
マーケティングオートメーションを利用したSMS活用方法とは
SMSの利用用途は主に本人認証通知、督促の通知など確認を依頼する内容が多いですが、マーケティングやプロモーションとしても利用する企業が増えております。
さらにマーケティングオートメーションとSMSを連携させることで、利用用途の幅が大きく広がり、活用する企業も増えてきました。
BtoC向け企業の例だと、今までメールで送っていた内容をSMSでも配信できるマーケティングオートメーションが登場したことによって、反応率を見て使い分ける企業も登場しています。
一斉配信はもちろん、クーポンのお知らせやカゴ落ちといったOne to OneでのSMS配信も可能です。SMSではHTMLメールのようなコンテンツ作成ができませんが、開封率が高いことが特徴ですので、とっておきの通知をしたい場合には利用する価値があるのでは無いでしょうか。
また、BtoB向け企業でもマーケティングオートメーションとSMSを組み合わせた事例も出てきています。
例えば、既に見込み顧客の方が「自社サイト訪問」、「メール開封」といったアクションを取った際に、担当営業者に最短20分程度でSMS通知を送ることが可能です。
つい先ほどまで自社のサイトやメールに接していたということは、興味関心度合いが高い可能性もありますので、すかさず見込み顧客に対してフォローの連絡を入れて営業の効率化を測ることができます。
即時性ではなく、「スコアリング10ポイント突破」といった累積でのSMS通知も可能ですが、こちらは1日に1回全ての対象者を通知するなどメール通知の方が適しているかもしれません。
SMSの配信にマーケティングオートメーションによる顧客のアクション情報を加えることで、マーケティングやプロモーションにも大きく役立てることが期待されています。
新しいチャネルの一つとして
SMSを利用する企業は今後も増加が見込まれており、配信数も右肩上がりに伸びていくことが予想されています。
企業でメールを送る担当の方の中には、「メールの開封率が下がってきている」、「社内であれば通知だけで良いので、メールよりも簡単に通知させたい」といったことをお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
SMSはメールを完全に代替するものではなく、どちらかというとメールと補完しあって使い分けることで効果を発揮するサービスです。
新しいチャネルの一つとしてSMSを利用してみるのも良いでしょう。