世界で最も利用されているECプラットフォームのShopifyは、近年日本でも注目されています。
Shopifyの人気が高い理由としては、低価格で簡単に自社ECを開始できるためでなく、各EC毎にカスタマイズしたい機能を実装できるような多彩なShopifyアプリが取り揃えられている点が挙げられます。
年に2回大規模な機能アップデートを実施しているShopifyですが、今回は今年の6月に「Shopify Editions 2022年夏」として発表された最新のアップデート情報をご紹介します。
目次
Shopify Editionsとは
「Shopify(ショッピファイ)」は世界175カ国、100万店舗以上のストアで利用されている世界最大のECプラットフォームです。
Shopifyは、2004年にカナダのオタワで創業したShopify社が運営しており、ECビジネスの立ち上げから運営、成長に必要なすべてのEコマース機能とPOS機能を1つのプラットフォームで提供しています。
「Shopify Editions」とはShopify社が年に2回、数百件にも及ぶアップデートを公開している注目のコンテンツです。
Shopify Editions 2022年夏の詳細はこちら:https://www.shopify.com/jp/editions/summer2022
Shopify Editions 2022年夏からピックアップ
ここからはShopify Editions 2022年夏の中でも注目したいアップデート情報について見ていきましょう。
Shopify Audiences
デジタル広告で新規顧客を獲得することは以前よりも難しくなっていると感じている方も多いのではないでしょうか。
今回新しく公開されたShopify Plus限定Shopifyアプリ「Shopify Audiences」を使えば潜在顧客がShopify独自の分析とマーチャントのネットワークを活用して、自社の商品を探している購入者を特定できるので、将来の優良顧客を見つけることができます。
さらに、関心の高いオーディエンスを作成し、Facebookなどの広告プラットフォームにもエクスポート可能です。
期待できるポイント
- 高いコンバージョン率、より優れた広告パフォーマンス
- 機械学習によるスマートなオーディエンス作成
- Shopifyと広告プラットフォームをシームレスに統合
Shopify Audiencesの詳細はこちら:https://apps.shopify.com/shopify-audiences?locale=ja
Shopify Markets
「Shopify Markets」では、国際的な販売の簡素化や新市場への参入、グローバル販売促進するための最適化を管理画面から簡単に行えます。
市場に合わせてを言語や価格を最適化すると購入体験が向上し、海外でのコンバージョン率を最大で40%向上させることもできます。
期待できるポイント
- 国や地域別の価格表とドメイン作成
- 各市場の現地通貨と言語での販売
- チェックアウト時に関税と輸入税を徴収
Shopify Marketsの詳細はこちら:https://www.shopify.com/jp/markets
Tokengated Commerce
「Tokengated Commerce」は、オンライン・オフラインでNFTコミュニティとブランドの橋渡しをしてくれるサービスです。
Tokengated Commerceを利用することでそのブランドのファンたちは自分の暗号資産ウォレットをECサイトに接続し、NFTを使って限定商品や先行販売への早期アクセス、他の人気ブランドとのコラボレーション、IRL体験などのパーソナライズされた特典を利用できます。
期待できるポイント
- ストアやShopアプリにトークン保有者限定サービスを導入
- Web3でトークンゲート化された体験を作成
- Shop Payを利用したスムーズなチェックアウト
Tokengated Commerceの詳細はこちら:https://www.shopify.com/tokengated-commerce
ShopifyQL Notebooks
Shopify Plus限定サービスの「ShopifyQL Notebooks」では、コマース向けに構築されたShopifyQLクエリ言語を使用して自社のデータストーリーを書いたり、独自のインサイトやビジネスチャンスを発見したりすることができます。
ECサイトのデータへより簡単に素早くアクセスできるようになったことで、データサイエンティストに頼らなくてもビジネスの状況を詳しく把握できるようになりました。
期待できるポイント
- 単一インターフェイスからすべてのデータにアクセス
- SQLのような言語で回答を素早く得る
- データとビジネスコンテキストからインサイトを得る
ShopifyQL Notebooksの詳細はこちら:https://www.shopify.ca/enterprise/shopifyql-notebooks
Customer Engagement Tools
「Customer Engagement Tools」の「Shopifyメール」、「Shopify Inbox(チャット)」、「メールオートメーション」、「顧客セグメンテーション」がさらに機能アップされました。
Shopifyメールにはストアごとにストアで設定しているショップロゴや商品、配色、その他アセットがカスタマイズされた状態のテンプレートが反映されているため、施策を作成する度にブランドイメージを反映させる手間を省けます。
さらに、一定プラン以上から利用できるメールオートメーションを利用することで顧客の行動や属性情報などを条件にメール配信を自動化することができるため時間が節約でき、顧客セグメンテーションを併せて上手く活用することで特定の顧客グループをターゲットにしてコンバージョン率を改善できます。
Shopify Inboxでは年中無休対応のチャットを活用できますので、お客様とより強い関係を育みましょう。
Shopify Fulfillment Network
「Shopify Fulfillment Network」はShopify社が手掛けているサービスで、2日以内の配達を実現することでより多くの購入者を獲得し、ビジネスを成長させる取り組みです。
アイテム1個あたり6か月間まで無料保管ができるため、初期費用を抑えつつ、返品作業の簡素化や在庫を最大限に活用することができます。
Shopify Fulfillment Networkによってストアのフルフィルメント、そしてサプライチェーン全体が管理されるので、マーケティングや顧客関係の構築、新商品の発売により多くの時間を割くことができます。
期待できるポイント
- 2日配達とシームレスな返品
- シンプルなオールインワン価格
- アイテム1個あたり6か月まで無料で倉庫保管
Shopify Flow
「Shopify Flow」はスタンダードプラン以上のストアが無料で利用できるShopifyアプリの一つで、ECサイト上での行動・属性・商品データを元に作業のオートメーション化を実現することができるサービスです。
作業のオートメーション化フローの作成はメニューの選択をすることで設定できますので、プログラミング言語が不要となっておりエンジニアではない方でも簡単に利用できます。
代表的な自動化フローは以下の項目があります。
- 特定の商品ページを○回見た人にクーポンを送るのを自動化する
- ○円以上の買い物をした顧客を優良顧客とする
- ○回目の注文後に特別オファーを送信する
- お客様の誕生日にプッシュ通知を送信する
- 特定の商品在庫数が○個以下になるとSlackで通知を受け取る
- 特定の商品在庫がなくなると、タスク管理表に「仕入れ」と追加する
- 口コミで悪い評価がされた場合に通知をする
設定によって様々な作業をオートメーション化出来るため、工数の削減と顧客満足度の向上に繋げることが可能です。
また、上記の例の通り、Shopifyフローに対応している他アプリを連携して利用することもできるため実現の幅を広げることもできます。
Shopify Flowの詳細はこちら:https://www.shopify.com/flow
Built for Shopify
「Built for Shopify」は、Shopifyアプリ開発者向けに開発されたプログラムで、アプリを作成・運用する際にShopifyの一部であるかのような見た目と操作感を備えたアプリを構築するためのツールや機能、ドキュメントを提供する新しい取り組みです。
新たに用意されたアプリデザインガイドラインに則ることで、より高品質のShopifyアプリの構築がかつてないほど簡単でやりがいが出るだけではなく、アプリ利用者は管理画面上でシームレスにアプリを使用することができます。
期待できるポイント
- 世界最高のコマースアプリがそろったエコシステム
- 管理画面でシームレスに統合
- 操作性とパフォーマンスの改善
Built for Shopifyの詳細はこちら:https://www.shopify.com/partners/blog/built-for-shopify
今年もShopify Japanの動きに注目
Shopify Editions 2022年夏で発表された多くのアップデートの中でも特に代表的なアップデート情報をご紹介させていただきましたが、この他にも多岐に渡るサービスアップデート情報がありますので気になる方は詳細ページをご覧下さいませ。
Shopifyでは常にユーザー目線でマイナーアップデートも進められておりますので、目立たない改善でも小さなアップデートを繰り返されることでプラットフォーム全体の体験とパフォーマンスで見てみると大きな影響がもたらされています。
Shopify Editions 2022年夏ではConnect to Consumerのジャーニーに焦点をあてた機能アップデートがメインでしたが、今後もさらに多くの機能を追加していく予定のようです。
今後もShopifyの動きに注目して見ていきたいと思います。