ECサイトの売り上げ向上策として活用されている「カゴ落ちメール」は既に実施している企業もあれば、これから取り組んでみようと考えている企業もあると思います。
これから取り組むための情報収集はもちろんですが、既にカゴ落ちメールを運用中の場合には、施策を分析していくなかで「配信タイミング」や「配信回数」のチューニングにお悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カゴ落ちメールを送るタイミングと回数の傾向ついてご紹介させていただきます。
目次
ECサイトのカゴ落ち率の平均とは
ECサイトの調査を行っているBaymard Instituteによると、各社より発表された過去のデータ平均をとると世界平均のカゴ落ち率は「69.82%」と発表されています。
カートに入ったまま購入一歩手前の商品が69.82%も眠っているという事は、金額ベースで見てもかなりインパクトの大きい状況です。
この調査結果の中にはカゴ落ち対策をしているサイトもあれば未対応のサイトもあると思いますが、カゴ落ち率はまだまだ高い水準であることから、多くのECサイトでカゴ落ちの改善策についてはさらに検討していく必要があるのではないでしょうか。
カゴ落ち対策の方法とは
カゴ落ちしたユーザーに対する施策は「カート周りの改善」や「サポート体制の改善」などいくつか手段が考えられますが、中でもカゴに残ったままの商品をユーザー毎に出し分けて配信する「リテンション施策」は最も手軽に導入できる有効な手法の一つです。
カゴ落ち施策の効果は業種にもよるものの、弊社実績でも数%〜10%以上改善される場合も見受けられました。
実際に、弊社のお客様で「メルマガ」と「カゴ落ちメール」、「お気に入りに入れた商品のリマインドメール」、「商品閲覧ユーザーへのリマインドメール」の数値を比較したところ以下のような結果が出ています。
業種や商品単価によっても効果の幅はあるものの、カゴ落ちメールの効果はメルマガよりも高いケースが多く、非常に効果的であるという結果が見て取れます。
カゴ落ちメールを送るタイミング
続いて、カゴ落ちメールの効果を高めるための配信タイミングについて見ていきましょう。
カゴ落ちメールの送信タイミングは、カゴ落ちした時点からフォローの間隔が早いほど効果的である傾向があります。
理由としては、ユーザーが商品に対して興味を失わないうちにリマインドをして購入を促進できる施策であり、他サイトで購入する前に自社サイトでの購入を促せる施策でもあるためです。
弊社のお客様の例ではカゴ落ちから1日後に送った場合よりも、カゴ落ちから1時間後に送ったほうが5倍以上の効果が出ているケースもありました。
このように、カゴ落ちメールはカゴ落ちしてからフォローまでの間隔が早いほど効果がでやすい傾向にありますので、まずは1時間後~2時間後くらいに配信してみるのが良いと思います。
カゴ落ちメールを送る回数
上述のように、カゴ落ちしてから時間があいてしまうと他サイトで購入されてしまう可能性があることや、購買意欲の減少が起こりやすいこともあり、カゴ落ちしてから対策が早いほどCVRが高い傾向にあるという結果が出ていました。
さらに、カゴ落ちメールの配信回数は1回だけというわけではありません。
弊社のお客様の例では、1回目が1番効果が高いという結果が出ていますが、2回、3回と配信することで検討段階にいたユーザーが購入に至っている例が見受けられています。
しかし、連続して何度も送るとユーザーから嫌がられてしまう事も考えられますので、配信するタイミングは間隔をあけることをおススメしています。
例えば、
- 最初のメールはカゴ落ちの1時間後に送る
- 2回目のメールはカゴ落ちの 1日後に送る
- 3回目のメールはカゴ落ちの 3日後に送る
といったように少し間を開けて何度か送ることで売り上げにつながることが確認できています。
既に1回のみカゴ落ちメールを配信しているサイトの場合でしたら2回目、3回目と配信回数を増やすことで効果検証することができ、今後の改善にも役立つテストになるかと思いますので、ぜひお試しになってみてはいかがでしょうか。
カゴ落ちに効果が出るメール文面とは
カゴ落ちメールを何度か送る事で購入につながることが確認できていますが、毎回同じ文面では効果が薄れてしまう可能性が高いでしょう。
そのため、カゴ落ちメールで送る文面には「いつもサイト来訪ありがとうございます」のようなお礼系メールや「最近のお買い忘れ商品」のようなリマインド系メール、「お探しの商品はありましたか?」のようなサポート系メールのように内容を変えて送ることも重要です。
お礼系メール
お礼系のカゴ落ちメールとは、カゴ落ち商品をリテンションする前に、まずはサイトに訪れたことに対してお礼を伝えてエンゲージメントを高める方法です。
いつもサイトに訪れているお客様に対してはもちろん、サイトに久しぶりに来ていただいたお客様や初めてサイトへ訪問したお客様に対しても良い印象を与える可能性が高いでしょう。
そのため、こちらの内容はカゴ落ちしてから早いタイミングで送るメールとしてオススメの内容となります。
メールタイトル例
いつも○○(ECサイト名)をご利用いただきありがとうございます。
メール本文例
- お客様のお名前
- ご来訪のお礼
- カゴ落ち商品の詳細
リマインド系メールについて
リマインド系のカゴ落ちメールは、カゴ落ちしている商品をお客様へストレートに伝える内容です。
カゴの中にまだ商品が残っていることを伝え、具体的に何が入っているのかをシンプルにわかりやすく伝えましょう。
こちらの内容は、カゴ落ちメールの中でも最も利用されている内容だと思います。
メールタイトル例
お買い忘れの商品はありませんか?
メール本文例
- お客様のお名前
- カゴ落ち商品の詳細
サポート系メールについて
「購入までのフローが不明確だったため不安になり離脱してしまった」や「送料が分からないため購入まで至らなかった」など、商品検討以外の理由で購入に至らなかったことも考えられる場合も考えられます。
そこで、サポート系のカゴ落ちメールではカゴ落ちした商品に対するリテンションと合わせてUX面のサポート案内を交えた内容です。
なるべくカゴ落ちする前にサイト側で対策を行っているのがベストですが、購入までの流れに関するFAQやチャットサポートなどを導入しているようであれば、サポート系のメールを配信することで再度サイトにアクセスへ誘導し、サポートを行うことで購入まで繋げることができる可能性も高くなります。
メールタイトル例
お探しの商品はありましたか?/お買い物でお困りのことはありませんか?
メール本文例
- お客様のお名前
- 購入までのフロー、FAQ
- カゴ落ち商品の詳細
まずは自社のカゴ落ち率を把握して対策を行おう
今回ご紹介したようにカゴ落ち対策としては「メール」での案内が最も一般的ですが、日本では若年層向けのターゲットユーザーが多いECサイトではLINEからカゴ落ち施策を配信することで高い施策効果が見込める場合もあります。
弊社のMAツール「HIRAMEKI XD(ヒラメキクロスディー)」ではメールはもちろん、LINEとSMS、Webプッシュの配信チャネルからもカゴ落ち対策を行うことができますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。
また、配信しただけで終わりではなく、施策効果の分析を行い、カゴ落ちメールのタイミングや回数のチューニングを行いながらカゴ落ち率の改善を図っていきましょう!