最近日本でもShopifyを利用したECサイトが増えてきておりますが、さらに売上アップを狙いたい企業の方も多いのではないでしょうか。
売上アップを効果的に狙うための施策の代表としては「カゴ落ち」と呼ばれるユーザーのやカート放棄行動への対策があります。
今回はShopifyで「カゴ落ち(カート放棄)対策」を行う方法についてご紹介いたします。
目次
Shopifyとは
Shopifyを運営しているShopify社はニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しているグローバル企業で、世界175ヶ国100万以上のネットショップがShopifyで運営されています。
グローバル流通総額は2,000億USドル(20兆円)を超えており、さらに今後も増加していくことが見込まれています。
世界で最も利用されているECサイト構築サービス「Shopify(ショッピファイ)」の利用が日本でも増加してきており注目が集まっているところです。
カゴ落ちとは
カゴ落ちとはユーザーがお買い物カゴ(カート)に商品を入れたものの、購入には至らずそのままカゴの中に商品が残っている状態を指します。
では、どの程度の商品がカゴ落ちしたままになっているのでしょうか。
ECサイトの調査を行っているBaymard Instituteによると、過去に各社より発表されたカゴ落ちのデータより「世界平均のカゴ落ち率は69.8%」と発表があります。
ECサイトを運営している方からすると70%近い商品やサービスがカゴの中に入ったまま購入一歩手前で眠っている状況は、金額ベースで見てもかなりインパクトの大きいものと言えるのではないでしょうか。
この数値を数%改善するだけでも売上に大きなインパクトを与えることが可能となります。
Shopifyでカゴ落ち対策を行う方法とは
ユーザーのカゴ落ちを一気に解決するのことは難しいかもしれませんが、改善対策方法について見ていきましょう。
送料や手数料などの追加コストがある場合には事前にお知らせ
送料や手数料が追加でかかる場合にはあらかじめカート投入前に明示しておくことがおすすめです。
金額的には大きくなくても想定していた金額よりも高くなることでユーザーの心理的負担が大きくなってしまい購入をためらってしまうことに繋がりかねません。
事前に明示しておくことで、追加コスト発生時にも心の準備ができている状態となりますので、わかりやすく掲載してみてはいかがでしょうか。
サイトの信頼性を高める
ECサイトの場合、カード情報を入力することもあるためサイトの信頼性は非常に重要な項目であると考えられます。
HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)サイトにするのはもちろんのこと、SSL証明書の取得や最新情報のアップデートを行うことでサイトが頻繁に更新されていることを伝えましょう。
サイトでエラー表示が出てしまうことやリンク切れはツールなどでもチェックできますので必ず対策を行うことをおすすめします。
カゴ落ちユーザーへのリテンションを行う
上記のような対策をすることで一定の効果は上がるものの、やはりカゴ落ちをしてしまうケースは発生してしまいます。
カゴ落ちしてから行える対策としては、カゴの中身をユーザー毎に変更して配信するリテンション施策が有効です。
施策の効果は業種にもよるものの、弊社実績でも数%〜10%以上改善される場合も見受けられました。
配信チャネルはメールが最も一般的ですが、日本では特に若年層向けのターゲットユーザーが多いサイトではLINEを使って配信することで高い効果が見込める場合もあります。
手動で行う方法もありますが、費用対効果を考えると最近ではマーケティングオートメーションのサービスやECシステム側で自動対応することも可能ですのでそちらを活用することがおすすめです。
弊社のMAツール「HIRAMEKI XD(ヒラメキクロスディー)」ではメール、LINE、SMS、Webプッシュといった配信チャネルでカゴ落ち対策を行うことができます。
カゴ落ち対策の効果を高めるポイントについて
カゴ落ち対策の効果を高めるためには適切なコンテンツを適切なタイミングでone to oneの配信することが重要です。
カゴ落ちメールの場合はお客様ごとにカゴ落ちしている商品が異なるため、一人一人に合わせたコンテンツを送りましょう。
商品をカゴ落ちしている同じ状況でも、1つの商品だけの場合もありますし、5個や10個の複数種類をカゴの中に入れたままになっていることも珍しくありません。
そのため、出来ればカゴの中に入っている商品が複数種類あれば、それぞれの商品をカゴ落ちしてから新しい順にメールやLINEなどの文章内に差し込むことで、お客様の記憶の中にある可能性が高いため、クリック率が上がる可能性が高いでしょう。
「商品画像」、「商品名称」、「商品金額」、「商品説明文」などを差し込みとして入れ込むことが一般的ですが、ABテストをして内容を変えて改善をしていくこともおすすめです。
また、カゴ落ちしてから時間が空いてしまうと他サイトで購入されてしまうことや、購買意欲の減少が起こりやすいこともあり、カゴ落ちしてから対策が早ければ早いほどCVRが高いという傾向もあります。
例えば、カゴ落ちしてから当日中に一度配信を行い、それでも購入がなければ3日後、7日後と同じお客様に対して複数回配信を行うなど、ステップ化を行うことで継続的にコンバージョン機会を創出する方法も有効です。
カゴ落ち対策を検討しているうちに機会損失が発生する場合も
カゴ落ち対策は効果がありそうなので導入してみたいものの、残念ながら検討からなかなか導入までに至らず先延ばしになってしまうケースもよく見受けられます。
機会損失は実際の損失ではないために見えづらい数字ではありますが、導入されたお客様の中では「もっと早めにやっておけば良かった」と言う声も多いのが事実です。
検討が長引く理由としては、
- システムをいじれる担当者が社内にいない、もしくは忙しくて後回しになる
- どのサービスが最適か悩んでしまう
- 費用対効果が見合うか検証したい
といったものが挙げられます。
とりあえず導入してみたものの「費用対効果が出ない」、「思っていたサービスと違っていた」と言うよりは、じっくり検討の上で導入した方が良い場合もありますが、機会損失が発生している可能性も高いです。
対策を検討している企業の方であれば、まずは自社でどの程度カゴ落ちが発生しているのかを把握して確認してみることから始めてみても良いと思います。