2017年にカナダから日本に本格参入したECサイト構築プラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」が近年大きな成長をしていることで注目を集めています。
今回は、今年の2月にShopify Japan株式会社より発表されたプレスリリースをもとに、Shopifyの日本での利用動向と新規出店の伸び率についてご紹介いたします。
Shopifyとは
Shopifyを運営しているShopify社はニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しているグローバル企業で、世界175ヶ国100万以上のネットショップがShopifyで運営されています。
グローバルでの流通総額は約20兆円($200 Billion)を超えており、さらに今後も増加していくことが見込まれています。
多言語対応や決済などの機能が優れていることからグローバル展開を目的として、国内ECショップとは別に、海外向けサイトをShopifyで展開する日本企業も多く見受けられます。
2020年の日本市場での成長
Shopify Japan株式会社によると、2020年における日本市場での成長は以下の通り過去最高を更新したと発表されています。
- 流通総額(GMV)は2019年比323%増で成長率は、他国に比べても高い
- 国内だけでも前年比228%増の新規出店数の伸び率は、他のマーケットの中でも上位
- 注目すべき国内の新規加盟店は以下の通り:
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- BAKE The Online(https://bake-the-online.com/)
- 益子WEB陶器市(https://toukiichi.mashiko.online/)
- オリオンビール(https://shop.orionbeer.co.jp/)
- タイガー魔法瓶(https://www.tigerbottles.com/)
- タンスのゲン本店(https://www.tansu-gen.jp/)
など
また、2020年は楽天の販売チャネル、Shopify paymentのJCB対応、Shopify POSのリリースをはじめ多くの機能追加が行われました。
Shopifyの調査によると、日本の消費者の49%がコロナ禍の2020年9月までの6ヶ月間で、「買い物が混雑する時間を避けた」と答え、46%が「この先6ヶ月も同様に行動するだろう」と回答しています。
また、新型コロナウイルスの感染が拡大して以来、日本の消費者の42%が「2020年の年初と比較してオンラインでより頻繁に買い物するようになった」と回答しています。
日本の消費者が社会的な活動を抑制する一方で、オンラインでの買い物へと確実にシフトしており、日本でもeコマースの成長が加速している傾向が見て取れると言えるでしょう。
日本の成長率は他の国に比べても群を抜いており、新規出店数も前年の2倍以上となっています。
政府をはじめ、地方自治体などとの取り組みで起業家や実店舗を持っているオフライン事業者のオンライン化、Shopify POSを促進する取り組みなどが功を奏して成長に繋がったと見られます。
日本語に対応するサイトや機能が増えてきたことに合わせてユーザー数も増えており、新型コロナウイルスの影響で多くの企業がECサイトの新設や注力した結果とも言えるでしょう。
2020年のグローバル市場での成長
続いて、2020年グローバル市場での状況を見ていきましょう。
Shopify Japan株式会社によると、2020年においてグローバル市場での成長は以下のように報告されています。
- Shopifyを利用する事業者(マーチャント)は、世界で170万以上
- Shopify Plusを利用する事業者(マーチャント)は、世界で1万以上
- 2020年の流通総額(GMV) 約12兆円 ($120Billion)
- 世界中で4億5700万人近くの消費者がShopifyを通して商品を購入(2019年比52%増)
- 新規店舗は2019年にほぼ1分(52秒)ごとに初めての売上を行ったのに対し、2020年には平均28秒ごとに初めての売上を上げるまでにスピードが増した
- 完全リモート企業として、世界中に7,000人以上の従業員を擁す
- 事業者(マーチャント)によるShopifyでの総売上高 約30兆円 ($277Billion)
- アプリストアに6,000以上のアプリを掲載
- Shopの登録ユーザー数は1億人を達成
- 第4四半期の注目すべき新規加盟店は以下の通り:
- Dermalogica(国際的なスキンケアブランド)
- Yamaha(日本のオートバイブランド)、Herman Miller(英国の国際的な家具会社)
- Hallmark(グリーティングカードで有名な英国企業)
- Diageo(世界最大級のワイン・スピリッツメーカー)
- ALDI(ディスカウント食料品チェーン)
- Purina(ネスレの人気ドッグフードブランド)
など
また、既にアメリカではAmazonに次いで2番目のECプラットフォームとなっています。
Shopifyの月次経常収益(MRR)の推移を見てみると、2020年下半期に特に伸びており、約91億4159万円($8,260万)と過去最高を更新しています。
2018年は流通総額が約4兆5,000億円($41.1 Billion)、前年比+56%、2019年はGMV 約6兆5,000億円($61.1Billion)、前年比+49%でしたが、2020年はGMV 約13兆円($119.6Billion)、前年比+96%と、過去2年と比較しても2倍近い成長率を記録しており非常に高い伸び率と言えるでしょう。
2021年も日本市場、グローバル市場共に成長することを期待
新型コロナウイルスの影響が長引いており、新しい生活スタイルとしてECでのお買い物が定着している方も多いのではないでしょうか。
Shopify Japan株式会社によると2021年は日本で要望の多かった「Shopify Plus」の専属チームの立ち上げを予定しており、事業拡大を図るD2Cブランドやすでに多くの顧客を抱える大手ブランドが必要とするカスタマイズ性にも対応できるような体制が整うと発表しています。
このようなプロダクトのアップデートを通じてオフラインとオンラインの融合をすることで事業者(マーチャント)のビジネスの成長に繋がるプラットフォームとなり、Shopifyの日本におけるプレゼンスを強化していくことが期待されます。
また、Shopifyはマルチチャネルプラットフォームのグローバルカンパニーとして越境販売のための、多言語・多通貨の特長を活かし、海外と行き来ができない今だからこそ、日本の消費者だけでなく、世界中の消費者に向けて商品を越境販売するための仕組みを提供していくとのことです。
2021年も日本市場、グローバル市場共に成長することが期待されていると言えるでしょう。
弊社のマーケティングオートメーションツール「HIRAMEKI XD」では、日々成長しているShopifyとの連携機能をご用意しております。
ご興味のある方は是非、ご相談くださいませ。
参考資料
- PRTIMES(2021.02)「2020年のShopify 成長率を発表 国内GMV(流通総額)は323%の成長率」
- Shopify Inc(2015.09)「Amended Statement of Ownership」
- Shopify Inc(2017.02)「Annual Report (foreign private issuer)」
- Shopify Inc.(2018.02)「Annual Report (foreign private issuer)」
- Shopify Inc.(2019.02)「Annual Report (foreign private issuer)」
- Shopify Inc.(2020.02)「Annual Report (foreign private issuer)」
- Shopify Inc.(2021.02)「4Q Results February 2020」
- Shopify Japan株式会社
- HIRAMEKI XDサポートチーム(2021.01)「ECサイト構築のShopify(ショッピファイ)の特徴や機能、メリットについて解説」