2017年にカナダから日本へ本格参入したECサイト構築プラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」が、近年大きな成長をしていることで注目を集めています。
そこで、今回はShopifyを利用したECサイトの事例を6つご紹介いたします。
目次
Shopifyとは
Shopifyは世界175カ国、170万店舗以上のストアで利用されている世界最大のECプラットフォームです。
グローバルでの流通総額は2,000億USドル(22兆円)を超えており、さらに今後も増加していくことが見込まれています。
多言語対応や決済などの機能が優れていることからグローバル展開を目的として、国内ECショップとは別に、海外向けサイトをShopifyで展開する日本企業も多く見受けられます。
Shopifyを利用したECサイトの事例をご紹介
では、Shopifyを利用したECサイトの事例について見ていきましょう。
オリオンビール
1つ目の事例は「オリオンビール」です。
オリオンビールは沖縄県を中心として製造、販売を行っているメーカーです。
オリオンビールでは10年前からECサイトを立ち上げていましたが、申し込みフォームからオーダーを入れて銀行振込で支払う仕組みのため、オンライン上では決済が出来ないサイトでした。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりビールを卸していた飲食店の売上が激減したことから、2020年にコマースメディア社の協力の下、ECサイトをリニューアルオープンしたそうです。
Shopifyを選んだ理由としては、パートナーが増えてShopifyを導入する企業が多くなってきたこともあり、将来性に期待が出来る点を挙げています。
サブスクリプションなどもShopifyなら対応可能ですし、ロジスティクスとの連携も楽で、受注から出荷までのプロセスがとてもスムーズになったようでした。
BASE FOOD
2つ目の事例は「BASE FOOD」です。
BASE FOODは2017年に世界初の完全食パスタのBASE PASTAの発売を開始しました。
BASE FOODが提供している完全食とは、簡単に言うと「健康を維持するために必要な栄養をすべて含んだ食品」のことです。
BASE FOODは今では、消費者に直接販売するD2Cモデルとしても知られており、Shopifyを利用しているユーザーにもD2Cを行っている企業は多く見られます。
Shopifyを選んだ理由は「顧客体験の向上に必要な拡張性があること」と「UIの使いやすさ」がポイントだったそうです。
また、「Shopifyブログ」では、
「ほとんどの日本の会社のASPは他のアプリケーションと連携するという前提で作られていませんので、何か要望があってもできない事は開発しなければいけないとか、あきらめるしかないことが多いんですけれども、Shopifyは周りのアプリがどんどん進化しているので、常にECの世界の成功事例を試すことができるというのが一番の良いところだと思っています」
ともコメントされています。
土屋鞄製造所
3つ目の事例は「土屋鞄製造所」です。
土屋鞄製造所はランドセルや大人向け鞄などの革製品を企画・製造・販売する老舗ブランドです。
2000年代に入ってからEC事業にも参入し、リニューアルを重ねながら成長を遂げてきました。
ブランドが成長していく中、顧客満足とブランド価値を高めていくために数年に一度のペースでリニューアルを行っていましたが、さらに時代に合ったプラットフォームの選定と社内体制の構築に挑むことになりました。
Shopifyのアプリストアで提供されている拡張性の高いアプリを活用することで、さまざまなツールが使えることや、検証から実装まで短時間でできることがメリットであると感じ、他社ブランドの事例や海外のD2C企業の状況もリサーチしたうえで導入を決めたようです。
同時に、なるべく自走・内製化できる社内体制づくりにも力を入れて取り組まれているようです。
参考:ECのミカタ(2021年4月)「土屋鞄製造所が成し得た【Shopify Plus】によるEC運営 事業を大きく前進させるために必要な視点」
ゴーゴーカレー
4つ目の事例は「ゴーゴーカレー」です。
ゴーゴーカレーは石川県金沢市のカレーを全国的に広めた会社としても有名です。
コマースメディア社によって公式通販サイトのリプレイスが手掛けられました。
ゴーゴーカレーのオンライン販売は自社ECだけではなく、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazon、au PAYマーケットなどのモール販売も展開しています。
プロジェクト開始当時は、必要最低限の機能からShopifyでの自社ECを開始したようですが、現在では幅広いエンドユーザーに不自由なく使ってもらえるような機能とデザインを備えています。
機能面はとても充実しており、自社ECをShopifyへリプレイスすることで、大量注文への対応やBtoB専用窓口を設けることが実現しました。
また、単品通販はもちろん、店舗で使えるトッピングチケットが毎月同梱されているサブスクリプションでの販売も行っています。
支払い方法はクレジットカード払いとコンビニ払いだけではなく、PayPal (ペイパル)やAmazon Pay、Apple Payなどに対応しており、エンドユーザーへ選択肢を多く提供することで、支払い選択時の離脱防止や越境への展開も見据えているようです。
なお、ECサイトの表示はレスポンシブ対応をさせることで、PCでもスマートフォンでも表示に差異なくスラスラと閲覧することができます。
参考:COMMERCE MEDIA INC.「ゴーゴーカレー 公式通販サイト -金沢カレーの老舗ゴーゴーカレーのオンラインストア-」
Nagi
画像引用:https://nagi-jp.com/
5つ目の事例は「Nagi」です。
1枚でも過ごせる吸水ショーツを展開するフェムテックブランド「Nagi」の発売開始は2020年5月、すでに多くのリピーターを獲得しています。
Shopifyの決め手は越境ECを考えている中で一番マッチしたこと、支払いサイクルが早いこと。
日本語対応がまだ完璧ではないこともあり、配送部分で住所の変換などスムーズにいかない場面もありますが、この料金体系で分析ツールが非常に充実しており、POSやメールマガジン機能など連携できることも多く、総じてとても満足しているとのことです。
BONIQ
画像引用:https://boniq.store/
最後の事例は「BONIQ(ボニーク)」です。
累計で3万台を売り上げた低温調理器の「BONIQ」は、クラウドファンディングからスタートし、現在はECの販売チャネルとして自社サイトとAmazonそしてYahoo!ショッピングで展開しています。
制作してくれるクリエイターがたくさんいることから海外サービスに着目し、クオリティが高く値段も安いShopifyに出会ったそうです。
自社のECプラットフォームにはShopifyを使用し、サイト構築初月から売上数百万円、1年で数千万円を達成。また、出荷・受注業務ではEC自動出荷システム「シッピーノ」を活用し、ネットショップの物流に関わる業務を全て自動化することで、売り上げを伸ばしながらブランディングも強化しています。
参考:Shopifyブログ(2020年6月)「3万台を売り上げた低温調理器「BONIQ(ボニーク)」 自社EC開設1年で大成長の裏にはShopifyとシッピーノあり」
また、以下では海外事例ですがShopifyで構築されたおしゃれなECサイト30選という記事もありますので参考になるのではないでしょうか。
今後も様々なShopify ECの事例が出てくることが期待
新型コロナウイルスの影響が長引いており、ECでのお買い物が定着している方も増えてきています。
今後もECでの購入する比率は高まっていくことが予想されており、Shopifyでサイトを構築する企業も増えてくるのではないでしょうか。
これから構築を考えていらっしゃる方は、Shopifyのサイト構築に強いパートナー認定企業(Shopify Expert)が日本でも出てきていますので、相談してみるのも良いかもしれません。
※表示金額は2021年8月23日時点でのドル円のレートで計算、表記しております